Gfarm広域ファイルシステムの設定と利用
利用ユーザーの登録
Gfarmファイルシステムを利用するためには、管理者が利用ユーザーを登録する必要があります。なお、config-gfarmで指定された管理者自身は自動的に登録されるため登録の必要はありません。
登録にはgfuserコマンドを利用します。Gfarm上のグローバルユーザー名、実ユーザー名、Gfarm上のホームディレクトリ、GSI認証におけるユーザー証明書のSubject DNを指定します。実ユーザー名などに空白が含まれる場合はダブルクオートなどでくくる必要があります。
例えば、グローバルアカウント名taro、実ユーザー名Taro Tsukuba、ホームディレクトリ/home/taro、Subject DNは無しの場合、管理者は以下のようにgfuserコマンドを実行します。ここでルート権限ではなく、管理者のユーザー権限で実行することに注意してください。
% gfuser -c taro "Taro Tsukuba" /home/taro ""
グループによるアクセス制御を行いたい場合は、グループの作成とグループのメンバ登録を行います。tsukubaグループを新規に作成し、taroを所属させる場合は以下のようになります。
% gfgroup -c tsukuba taro
次に、管理者はユーザーのホームディレクトリを作成し、所有者を変更します。
% gfmkdir /home/taro
% gfchown taro:tsukuba /home/taro
利用ユーザーの設定と実行例
利用ユーザーは、クライアント、ファイルシステムノード、メタデータサーバーノードに共有秘密鍵を設定することにより利用できるようになります。
共有秘密鍵は_gfarmfsユーザーと同様にgfkeyコマンドで生成します。
$ gfkey -f -p 31536000
作成した共有秘密鍵を全ノードにコピーします。コピーに際しては、_gfarmfsユーザーと同様に所有者とモードに注意してください。
管理者はこれまで共有秘密鍵の設定をしていませんでしたが、共有秘密鍵がない場合は自動的に短期間のものが作成され、その鍵がメタデータサーバーノードで共有されていたため、利用が可能でした。従って、メタデータサーバーノード以外を利用する場合は、共有秘密鍵の設定が必要となります。
利用ユーザーの設定が終了したら、Gfarmファイルシステムを利用してみましょう。図3に実行例を示します。gflsによるディレクトリ内容の表示、gfdfによるファイルシステムノードのファイル容量の表示、gfhostによるファイルシステムノード情報の表示を行っています。
Gfarmファイルシステムをマウントするためには、fuseグループのメンバとなる必要があります。以下はtaroをfuseグループのメンバとする例です。クライアントの管理者に実行してもらいましょう。
# usermod -G fuse taro
ログインし直しすとgfarm2fsコマンドでGfarmファイルシステムがマウントできるようになります。/tmp/taroにマウントするためには図3-2のようにします。
図3-2の例では、/tmp/taroに10TByteのGfarmファイルシステムをマウントしています。以降は、/tmp/taro以下をアクセスすることによりGfarmファイルシステムを利用できます。
【参考文献】
「Gfarm Datafarm - Gfarm file system」(http://datafarm.apgrid.org/)(アクセス:2009/01)