ZFS、DTraceで管理が楽に!

2008年6月25日(水)
原口 章司

マルチブート環境の管理

 BEがZFSになったことで、BEの複製と管理も簡単になりました。新しくbeadm(1M)コマンドが追加され、このコマンドでBEの作成とマルチブートの管理を行います。

# beadm create BEbackup

 この簡単なコマンド入力で、現在起動中のBEのスナップショットをとり、起動中のBEのクローンを「BEbackup」という名前で作成します。この処理はわずか数秒で完了します。

 作成された「BEbackup」は、再起動時にGRUB起動メニューから選択できるようになります。パッケージやドライバの追加など、システム構成の変更前にBEのコピー作っておくことで、システムブート構成のバックアップにもなります。

 BEはストレージプール上に、数に制限なく構築でき、起動中のBEでなければ、削除や名称変更も簡単に行うことができます。

 従来のSolarisでもLive UpgradeでBEの複製や管理ができましたが、ZFS上でのBE管理はディスクの消費も節約して、高速に行えるので大変便利な機能です。

アップデートも簡単に

 OpenSolarisでのアップグレードインストールも簡単になりました。OpenSolaris 2008.05では、「第3回:IPSでパッケージ管理!(http://www.thinkit.co.jp/article/82/3/)」の記事で紹介したIPSを使用して、IPSレポジトリから任意にパッケージを選んでアップデートすることも可能ですが、以下の簡単なコマンド入力で、インストールされているすべてのパッケージを一括して最新のバージョンにアップデートすることもできます。

# pkg image-update

 このコマンドを実行すると、アップデート前のBEのバックアップを取った上で、アップデートを行います。アップデート後の起動時のGRUBメニューに「opensolaris-1」が追加されるので、これを起動することでアップデートが有効になります。何か問題があれば、再起動時にGRUBメニューから「OpenSolaris 2008.05」を選択することで、アップデート前の状態に戻すこともできます。

 IPSレポジトリのpkg.opensolaris.orgは、今後2週間ごとにパッケージのアップデートが予定されており、この機能はシステムの定期的なバージョンアップ管理に有効です。

サン・マイクロシステムズ株式会社
OpenSolaris エバンジェリスト。Solaris プラットフォーム&セキュリティ グループ所属のテクニカル・プログラムマネージャ。Solaris ハードウェア・パートナー(SHWP)との技術窓口を務める一方で、OpenSolarisの普及ため、2007年秋からエバンジェリスト活動にも参加しています。

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