侍も 迷いに迷う ブリュッセル
チョコレートの国の侍、本編始動!
土曜日くらいは、ちょっと現実を離れて異国の地に心をはせたい...そんな、あなたにお勧めなのが本連載「チョコレートの国の侍 2008」だ。筆者はTOMOYO Linux(http://www.thinkit.co.jp/free/article/0706/17/1/)でおなじみの原田 季栄氏。TOMOYO Linuxのためなら、命をも賭けられる、そんな侍魂の男、原田 季栄氏の異国の地での奮闘がこの連載である。
優雅な欧州旅行記かと思いきや、波瀾万丈、涙なしでは読み切れないこの冒険譚、読み始めたらはまること請け合いだ。
物語は、FOSDEM'08(http://www.fosdem.org/2008/)という会議でTOMOYO Linuxについて発表するという目的を遂げるため、チョコレートの国ベルギーの首都ブリュッセルに原田氏がやってきたところから始まる。
なお、ブリュッセル到着までのてんやわんや、そもそもFOSDEM'08とはなんぞや、については先行公開している「キラリと光る土日の過ごし方!(http://www.thinkit.co.jp/article/68/)」の「第5回:チョコレートの国の侍登場!(http://www.thinkit.co.jp/article/68/5/)」をお読みいただきたい。さぁ、原田氏どうぞ!!
迷路のような街ブリュッセル
ブリュッセルの旧市街地(http://maps.google.co.jp/maps/ms?ie=UTF8&hl=en&msa=0&msid=106159858337708025302.0004468f695f5b4b1843e&ll=50.845405,4.352989&spn=0.022545,0.054932&z=14)はそれほど大きな町ではありません。少し右に傾いた五角形の盾のような形状をした環状道路(14世紀の城壁の名残だそうです)に囲まれており、半日もあれば1周できるのではないかと思います。ただ、地図をよく見るとわかりますが、道路がところどころ放射状になっています。そのため、歩いているとすぐに方向がわからなくなります。
通りにはすべて名前がついていて、タクシーに乗っても、行き先は通りの名前で伝えます。通りに名前がついていて、地図を持っていれば、迷うことはないと思われるかもしれませんが、困ったことにこの通りの名前が全部同じように見えます(笑)。日本であればエリア(地区)を確認してから丁目で場所を探しますが、フラットに並んだ通りを探すのは大変です。
ブリュッセルに到着した翌朝、私は「ちょっと周囲を確認しよう」と思い、ホテルを出ました。ブリュッセル市街のほうに行ってみようと思い歩き始めたのですが、すぐに自分がどこにいるのかわからなくなりました。
ぐるぐる歩き回って、最後は歩いている人に「ここはどこですか?」と地図を見せて尋ねるのですが、驚いたことに「わからない」と言われます。それも1人や2人ではありません。地図を見て真剣に考えてくれるのですが、「わからない」のです。とても不思議でした。
しかたないので、「グラン・プラス(ブリュッセルの観光名所)はどっちですか?」という聞き方をしてみると、方向を教えてくれる代わりに「トラムに乗ると良い」と言われます。トラム(http://picasaweb.google.co.jp/haradats/FOSDEM08/photo#5188358682466971522)とは、日本で言う路面電車です。