UbuntuでTOMOYO Linuxを使う

2009年7月9日(木)
吉田 史

UbuntuでのTOMOYO Linux利用方法 ~(1)LiveCD ISOイメージを使う

 「TOMOYO Linux徹底解剖」第2回では、Ubuntu開発者としての視点から、UbuntuにおけるTOMOYO Linuxの主な3つの使い方と、2種類のTOMOYO Linuxとの関連、そしてTOMOYO LinuxがUbuntuに受け入れられるまでの経緯について解説していきます。

 Ubuntu Japanese TeamとTOMOYO Linuxプロジェクトは、TOMOYO Linuxがメインラインに取り込まれる以前から交流がありました。このため、TOMOYO Linuxの「入門用」ドキュメント(http://tomoyo.sourceforge.jp/ja/1.6.x/1st-step/ubuntu8.04-live/など)の多くは、Ubuntuを前提に書かれています。こうした背景から、Ubuntu上でTOMOYO Linuxを使うことは非常に簡単です。

 UbuntuにおけるTOMOYO Linuxの使い方は冒頭でお伝えした通り、以下の3つの方法があります。

 (1)LiveCD ISOイメージを使う
 (2)TOMOYO Linuxのパッケージを利用する
 (3)Ubuntu 9.10を利用する

 まず1つ目はTOMOYO Linuxプロジェクトが配布しているLiveCD ISOイメージ(http://tomoyo.sourceforge.jp/ja/1.6.x/1st-step/ubuntu8.04-live/)を使う方法です。これはUbuntu 8.04のみで利用可能で、TOMOYO Linuxは1.x系(非LSM版)で利用できます。

 この方法で利用者が行うことは「CDイメージをダウンロードしてCD-Rに焼き、そのCDを用いてシステムを起動する」だけです。UbuntuでTOMOYO Linuxを使う場合、現時点でもっとも簡単なのがこの方法です。LiveCDでシステムを起動するだけで、TOMOYO Linuxの全機能を体験できます(図1)。

 ここで用いるCDイメージは、通常のUbuntuの環境に、TOMOYO Linux 1系(非LSM版)ををあらかじめ導入したものです。標準的なUbuntuのLiveCDと同じく、このCDからHDDへインストールすることも可能ですし、インストール後もTOMOYO Linuxの機能を利用することが可能です。HDDにインストールした場合、次で述べる「2つ目の方法」を「素のUbuntu」に適用したものと同じ状態になります。

 余談になりますが、LiveCDを用いる場合は、CentOS版のLiveCD(http://tomoyo.sourceforge.jp/ja/1.6.x/1st-step/centos5-live/)もありますので、Red Hatに慣れた方はそちらを利用することもできます。TOMOYO Linuxを初めて利用する場合、UbuntuかCentOSのLiveCDのどちらかで基礎的な利用法を学び、その上で使いたいディストリビューションでの操作を試すと良いでしょう。

UbuntuでのTOMOYO Linux利用方法 ~(2)TOMOYO Linuxのパッケージを利用する

 2つ目は、TOMOYO Linuxプロジェクトが配布しているTOMOYO Linuxパッケージを利用する方法です。

 これは、Ubuntuがインストールされた環境に、TOMOYO Linuxを有効にしたカーネルパッケージと、ユーザランドツールをインストールする形で行います。この方法のメリットは、既存のUbuntu環境にTOMOYO Linuxの機能を追加できる点で、6.06~9.04までのUbuntuで利用できます。

 TOMOYO Linuxプロジェクトの方々の尽力により、Ubuntu 8.04 LTSを利用している場合の詳細な手順がhttp://tomoyo.sourceforge.jp/ja/1.6.x/1st-step/ubuntu8.04/にあります。8.10・9.04を利用している場合は、パッケージ・ツール情報(http://tomoyo.sourceforge.jp/ja/1.6.x/install.html)とあわせて、8.04用のドキュメントも参照してください。

Ubuntu Japanese Team/株式会社創夢
Ubuntu Japanese Team/Ubuntu Member。株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用するサーバー・HPC・ワークステーション系エンジニア。Ubuntu Japanese Teamではミラーサーバー群の管理や翻訳などの作業を担当。

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