5月病を吹き飛ばせ!
キラリと光る会社員生活を送っているか?
さて5月もいよいよ終盤だ。4月に入社した新社員の皆さんは会社にそろそろ慣れてきたころだろうか。「見るもの聞くもの初めてのことばかりで楽しい!」と思っている方も多い反面、「なんか、思っていたのと違った」「なんか、この仕事向いていないかも」と悩み始める方も出てくるのがこの季節。
一方の新入社員を迎える先輩諸氏は、うまく今年の新人たちの良さを引き出すコミュニケーションがとれているだろうか。「All-in-One INTERNET magazine 2.0」の「ネットの風を読む(http://i.impressrd.jp/e/2008/04/09/455)」では、「デジタル新人類」と評された彼ら、どうやら確かにプログレッシブな感覚と、センシブルな感情を持っているようだ。どうも彼らの考えていることがわからない、という方は、その世代の声に落ち着いて耳を傾けてみてはどうか。
日本の夜の台所、居酒屋を夜な夜な徘徊する編集部員はふと気がついた。「そういえば、最近おっさん上司にくどくど説教される若手社員とか、上司にからんでる若者の組み合わせって見ないなー。前はたまーにそういう組み合わせがあって、周囲の郷愁を誘っていたのだけれども」。
書店に行けば、職業や仕事の意味や意義を問う本がずらりと並ぶ。なぜその種の本が売れているのかと言えば、今みんな働く意義がわからなくなっているから。そして、それに対して納得のいく意見を言ってくれる人が周りにいないから。
世代を超えたコミュニケーションがますます希薄になっている今日このごろ、「キラリと光る土日の過ごし方」では、あえてその「世代を超えたコミュニケーション」を再現し、若者が感じている「将来に対する漠然とした不安感」「なぜ仕事をするのかといった根本的な疑問」に対して一緒に考えていこうと思う。もし、1人不安を抱えているのならば、ぜひこの記事を読んでみてほしい。
今回、おっさん上司役を引き受けてくれたのは、「【一気に覚えるPHP!】アルゴリズムで頭の体操(http://www.thinkit.co.jp/article/62/1/)」を連載中の須藤 克彦氏だ。場所は週末の混み合う焼鳥屋、須藤部長はビール2杯呑んだ後、焼酎の水割りを頼み、いい感じで酔いがまわってきたところだ。新入社員の若井君は、2杯目のレモンサワーを呑んでいる。
報告書が書けない
須藤部長(以下、す):ところで、若井。
若井社員(以下、わ):はい。
す:昨日の報告書、ありゃなんだ。
わ:あ、すみません。自分でもちょっと自信がなくて。
す:ネタはちゃんとそろってたみたいだが。
わ:はい、松本先輩がいろいろと教えてくれましたし。それにググったら世間にはいろいろと情報がありますよね。
す:そりゃそうだ。けど、お前の意見ってものが全然出てないよな。
わ:自分の意見すか?
す:そうさ。報告書ってのは事務的にデータを並べりゃいいってもんじゃない。報告書に限らずすべて文書っていうのは書き手の「思い」ってやつが出なくちゃ嘘だ。あの報告書からはお前の「思い」が伝わってこない。
わ:「思い」ですか。
す:あれを読んだ人が、どんなふうに思うかわかるか?最初に思うのは「それで?」ってことだよ。「それで、何?」って。つまり、お前の文書にはいろいろと事実やデータが詰まっているけどその先、つまり主張がないんだ。
わ:主張ですか。
す:そう。「だから、こうしたい」「だから、こうしましょう」っていう主張だよ。事実やらデータやらをそろえただけで「あとはご自由に」っていうのは、無責任だな。
わ:なるほど、そこはわかりました。ちょっと考えてみます。ただ...。
す:ただ?
わ:部長のおっしゃることはわかるんですが、なんていうか、うまく自分の気持ちが文字にならないんですよね。僕もあの報告書で「これからはオープンソースの時代だから、もっとこれに力を入れましょう」ってことを言いたかったんです。でも、なんかうまくそこにつながらなくて。
す:なるほど、ネタはあるんだけどうまくまとめられない。あるいは、頭に中にはあるのにうまく表現できないってわけだ。
わ:はい。
す:じゃ、ちょいとコツを教えよう。今回、いろいろ調べててキーワードが出て来ただろう?
わ:はい、「技術者不足」「オフショア」「プラットフォームに依存しない」とかですかね。
す:そうだな。うちもそうかもしれないがIT企業の多くが海外の技術者に依存してるのが現状だからな。それに高い商用ソフトを使ってメーカの言いなりになるのも悔しいし(笑)。で、そんな現実があって若井は何を思った?
わ:僕は、それが現実だとしても、自分たちで設計や開発をやらなかったら国内のIT産業がみんなダメになってしまうと思うんです。だから、うまい方法があるわけじゃありませんけど、なんでもかんでも外国に出すんじゃなくて、せめて設計だけは自分たちでできないか、って思います。
す:おお、いいぞぉ。確かに名案があるわけじゃない。でも、その「思い」があるなら、それを言わなきゃ。
わ:はい。
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