物理エンジンライブラリ「APE」を試す!
AS3.0用物理エンジンライブラリ「APE」とは?
APE(Actionscript Physics Engine)は、ニューヨークを拠点として活動しているAlec Covaという方によって作られたもので、MITライセンスの下、誰でも無償で利用することができるAS3.0用の2D物理エンジンライブラリです。ちなみにAS2.0用の2D物理エンジンとして知られているFlade(http://www.cove.org/flade/)も同氏によって作られております。
APEは世界的なFlashの祭典であるFlash Forward 2007のTechnical Merit Categoryというカテゴリーでファイナリストに選ばれており、世界的にも高い評価を得ている物理エンジンライブラリです。
この必要最小限のシンプルな機能によって構成されているAPEを使って、物理エンジンについて学習していきたいと思います。まず今回作成していくAPEを使ったサンプルの動画をご覧ください。
APEの紹介とダウンロードと開発の準備
APE(http://www.cove.org/ape/)を使えば具体的に、どういったアニメーション表現が可能になるのでしょうか?おそらく一言に物理エンジンといっても、普段あまり聞きなれない言葉なので、ピンとこない方も多いのではないのでしょうか。
ピンとこない方は物理エンジンうんぬんを理論的に説明していくよりも、実際に公式サイト上にあるAPEを使った動くデモを操作した方が直感的にその概要が理解できると思います。ですので公式サイト上にある2つのデモを操作し、物理エンジンを体で感じてみましょう!
1つ目はこちら(http://www.cove.org/ape/demo1.htm)になります。操作方法は、キーボードを使い車輪が2つのオブジェクトを操作してみましょう。「A」を押すと左に進みます。「D」を押すと右に進みます。
2つ目はこちら(http://www.cove.org/ape/demo2.htm)になります。操作方法は、キーボードを使ってロボットらしき物体を操作してみましょう。「P」を押すと進行方向に進み、「R」を押すと進行方向とは逆の方向に向かって進みます。「H」を押すと背面の足となる部分の表示が消え、シンプルな形になります。気持ち悪いぐらいに、ロボットっぽいリアリティのある動作が表現されています。
このように重力表現の物理計算をしてくれるライブラリが、一般的に「物理エンジン」と呼ばれているものです。そのうちの1つが今回解説するAPEになります。
それではサンプル作成にあたり開発環境の準備をしていきましょう。まずは、APE本体を公式サイト(http://www.cove.org/ape/)からダウンロードします。原稿執筆時点(2008/05/26)での最新安定版はalpha 0.45でしたのでこちらを使用したいと思います。
ちなみにSubversionクライアントを使えば、開発中コードリポジトリからもチェックアウトすることが可能です。開発中の最新コードをご覧になりたい方はこちらからソースを取得してみましょう。
今回利用するIDE(総合開発環境)は、Flash CS3を中心に解説を進めていきたいと思います。