MS系クリエイティブの世界へようこそ
Expression Studioスイート
Expressionは、グラフィックデザイン、インタラクティブデザイン、Webデザイン、ビデオオーサリング(エンコード)のための、デザイナー向け製品スイートです。それぞれに対応したExpression Design、Expression Blend、Expression Web、Expression Media(Expression Encoder)という製品パッケージに加え、それら全部を合わせたExpression Studioというパッケージがリリースされています。
Expression Designは、ビジュアルデザインのためのアプリケーションで、Adobe系で言うところのPhotoshopとIllustratorの中間に当たります。ベクターグラフィックとラスターグラフィックを同じレイヤー構造内で扱いながらビジュアルデザインを構成し、画像としての書き出しはもちろん、XAML形式で書き出すことが可能です。
Expression Blendは、インタラクティブデザインのためのアプリケーションで、Adobe系で言うところのFlashに当たります。Expression Designで作成されたXAMLを引き継ぎ、そこにアニメーションや、イベント処理を加えていくことができます。
Expression Mediaは、映像編集のためのアプリケーションで、Adobe系で言うところのPremiereに当たります。ただ、できる内容は基本的なカット編集と映像調整にとどまります。また、Expression Encoderという、映像エンコード用アプリケーションが同梱され、映像のWebデプロイ用エンコード処理も、併せて行えます。
Expression Webは、Webページ編集のためのアプリケーションで、Adobe系で言うところのDreamweaverに当たります。Expression Designから引き継いだビジュアルを元に、Webページを作成することが可能です。
インタラクティブオーサリング環境:Blend
Expression Studioスイートの中でも、RIAを作るのに重要な役目を果たすのが、Expression Blendです。従来のC#などのコードのみでは難しかったり、面倒くさかったようなアニメーションやイベント処理を、GUIによるオーサリング環境で構築していくことが可能です。特に、アニメーションではストーリーボードと呼ばれるタイムラインを複数使用しながら、キーフレームアニメーションを作成することができますので、複雑なアニメーションも構築可能です。
また、ボタンやテキスト入力などの、コントロールと呼ばれる各種UIコンポーネントパーツの実装も、このアプリケーションで行います。それらパーツの配置と、パーツにバインドされるデータソースの設定、そして、パーツから呼び出されるイベントの定義など、UI側からロジック側につながる手前までの設定が、このアプリケーション上で行えます。
なお、ビジネスロジックを特に必要としない単純なアニメーションや、簡単なインタラクティブ動作のみのコンテンツなら、このExpression Blend単体で十分開発が行えます。
MS系のテクノロジでUI・UXを作るには、このBlendをいかに使いこなすかが、鍵となることでしょう。
次回は、このExpression Brendを使用して、簡単なSilverlightのRSSリーダーを作成してみます。