「バケツリレー」のChain of Responsibilityパターン
Chain of Responsibilityパターン <バケツリレー>ポイント!
構造的な特徴としては、クライアントはHandlerに処理を依頼しますが、Handlerの中に次の処理者NextHandlerを保持する構造になっています。Handlerでの処理が未達成あるいは処理を次の処理者へ送る場合、親のHandlerの中に登録されているNextHandlerへ処理を移していきます。ちょうど、処理の連鎖の鎖をたどるように、処理を流すイメージになります。
クライアントが処理を任せるときは、Handlerの中で抽象定義されたHandlerRequestを通してアクセスすることになります。また、もう1つ特徴があります。それは処理するオブジェクトとクライアントについて、関連性が非常に少ないことです。
このサンプルでもそうですが、処理を依頼するオブジェクトと、実際に処理していくオブジェクトの関係が希薄になっています。いったん処理要求を出したら、後は、処理オブジェクトの鎖にもとづいて処理要求が流され、具象処理者(ConcreteHander)たちにより処理が順次引き継がれていきます。処理を依頼するクライアントは、処理のすべてを知る必要がなくなるのです。
処理のすべてをクライアントが知る必要がないということは、処理するオブジェクトのメンテナンス性を高めることにもつながります。
デザインパターン速習方法
速習デザインパターンでは、代表的なパターンをサンプルコードとともに紹介しました。オブジェクト指向をこれから学んでいこうと思っている方向けに解説を行ってきましたが、いかがでしたでしょうか?
デザインパターンを手っ取り早く学ぶ方法は「自分でサンプルとなるコードを自分で入力して実行することでそのふるまいを体験し、UMLで理解する」ことに尽きます。デザインパターンを理解できれば、オブジェクト指向のエッセンスも理解できます。本連載が、皆さんのこれからのプログラミングにお役に立てることを信じています。