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要素間の関係を明らかにしよう!

2010年9月14日(火)
中原 慶

1. はじめに

本連載は、UMLの導入に敷居の高さを感じている方を対象としています。そんな方に、手軽で有効的なUMLモデルの利用方法を紹介することが、本連載の目的です。

第1回では「モデルがコミュニケーションを円滑にする」と述べました。まずは「最小限のUML仕様の知識だけでUMLモデルを作成し、手軽に、有効的に使ってみる」ことを提案しました。

今回は、最小限のUMLの知識を用いて、分析や設計の情報を正しく表したUMLモデルを作成する手順を解説します。

第1回で「厳密な仕様に基づいたUMLモデルの作成方法は解説しない」と述べましたが、今回はあえてUMLモデルの作成方法を解説します。ただし、あくまでもコミュニケーションを支援することを目的に、最小限のUML仕様と基礎的なモデリングの知識だけを用い、「役立つUMLモデルを手軽に作成する」ための手順を解説します。

文書や口頭だけで設計情報を伝えるのは、とても難しいことです。なぜなら、要素(クラスやオブジェクトなど)間の関係を明確に示すことが難しいからです。

オブジェクト指向の分析・設計では、要素間の関係がとても重要です。要素間の関係が明確になっていなければ、分析・設計の情報が正しく伝わらなかったり、誤解して受け取ってしまう可能性があり、重大な不具合や、拡張性や移植性の低下につながってしまうこともあります。

このような事態を避けるためにも、要素間の関係を明確にすることには、とても価値があります。UMLモデルは、要素間の関係を、さまざまな角度から表すことができます。

今回は、UMLのクラス図とオブジェクト図を用いて、要素間の関係を明らかにする手順を解説します。

2. 商品スペックと在庫商品の関係

例として、商品スペックと在庫商品の関係を表す設計を考えてみましょう。商品スペックとは、商品カタログに載っているような、商品の情報のことです。在庫商品とは、商品の物理的な実体のことです。

飲料水の自動販売機を想像してみてください。ディスプレイされている飲料水の見本が、商品スペックです。自動販売機の中に保管されている飲料水の実体が、在庫商品です(図1)。

図1: 飲料水の商品スペックと在庫商品の関係

次ページでは早速、飲料水の商品スペックと在庫商品の関係を、UMLモデルで表してみましょう。

株式会社チェンジビジョン

生年月日: 1977年1月6日 大阪市出身。ソフトハウスにて大規模データベースシステムからCTIシステム、WEBシステム等、多種多様なシステム開発に従事する。しかし、次々に登場する理想的な技術と、実際の開発現場で使われる技術に温度差を感じる。そして、自分自身がよりよい技術を実際の開発現場に浸透させる橋渡しなろうと考え、株式会社豆蔵に入社。現在は、株式会社チェンジビジョンにて、理想的なコンセプトを現場に浸透させるためのツール開発に従事している。

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