サーバー管理者の目/管理・監視・アーキテクト
サーバー管理者は仕事がいっぱい
サーバー管理者としてご活躍の皆さん、こんにちは。ハートビーツの馬場と申します。本連載では、私を含め、サーバー管理者を生業としている執筆陣が、現場でがんばっているサーバー管理者同志に向けて勇気の出るお話ができればと思っています。
しかし、社内サーバーと一口に言ってもいろいろありますよね。ぱっと思いつくだけでも、以下のものが挙げられます。
・イントラネット用
-グループウエアサーバー
-プリントサーバー
-ファイルサーバー
-バックアップサーバー
-ディレクトリサーバー(Active Directoryなど)
-ダイヤルアップサーバー(RAS)
・インターネット用
-webサーバー
-メールサーバー
-DBサーバー
-DNSサーバー
-Proxyサーバー
・(たぶん一緒に管理している)ネットワーク機器類
-基幹ルーター
-VPNルーター
-無線LANルーター
-ファイアウォール
-HUB
-セキュリティープロキシ
-ロードバランサなど
ほかにも社内wikiや社内ブログがありますね。開発会社の方であれば、さらに開発サーバー、BTS、CI、リポジトリなども入ってくるでしょうか。
はい。そろそろクラクラしてきましたね。
思いつくままに挙げてみましたが、とても多岐に亘ります。正真正銘L1~L7まで、開発方法論から実際の手順まで、要件定義から運用をすべてカバーしているサーバー管理者の皆さんには本当に頭が下がります。
本連載では、こんな目まいがしそうなくらい複雑なサーバー管理のお話を、サーバー担当の方がさらに輝くためのお手伝いとしてご紹介できればいいなと考えています。そして、自分の仕事を誰か(上司・同僚・部下・新人など)に説明するときにも、本連載を使ってもらえるとうれしいです。
仕事を整理しよう
サーバー管理者の仕事を、まずは整理してみましょう。
なにせ目立たないポジションなので、自分の仕事をうまく説明しないと周囲にその価値がわかってもらえないですからね。
サーバー管理者の仕事を大きく分けると、以下のように分類できます。
・定常業務(いつも実施していること)
-管理
システム・機器を管理する。権限管理やセキュリティー管理などを実施
-監視
システム・機器の稼働状況を監視する。障害が発覚したら対応を実施
-問い合わせ対応・サポート
社内外からの問い合わせに対応・回答する
・非定常業務(たまに実施していること)
-設計、アーキテクト
最適な構成・テクノロジー・運用方法・監視方法を検討・提案する
-選定
最適な機器を選定する
-構築
サーバー・機器をセットアップし、ミドルウエア含めて設定・実装する
このように、定常業務からスポット対応、将来の計画まで幅広くこなす必要があります。この幅広さがサーバー管理者の楽しさですね。
1つの技術・方法にとらわれずに、いろいろな技術・方法を組み合わせ、現状により適したシステムを組み上げ・提供し、よりよいビジネスを実現することがやりがいのひとつになります。
さて、本連載で話を進めるにあたり、次の点を意識していただけると今後気が楽になると思います。
「最高ではなく最適」
特にインフラ関係は顕著なのですが、お金をかけるほどかなりサービスレベルが高くなります。逆に、ある程度のところで線を引くと、かなり費用を抑えることもできます。
かけるお金・得られるサービスレベルが、現状にマッチしているのかどうかを考えて、要求・費用・サービスレベルを調整することで、皆さんが少し幸せになれるかも知れません。
次のページからは、この中でも特に定常業務の「管理」「監視」と、非定常業務の「アーキテクト」にスポットを当ててお話しします。