後編:オープンソースサポートサービス、SOA/ESB、Web 2.0、仮想化、情報セキュリティ (3/3)

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後編:オープンソースサポートサービス、SOA/ESB、Web 2.0、仮想化、情報セキュリティ

著者:ThinkIT編集局   2007/1/5
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情報セキュリティ
終わりなきセキュリティ対策

   昨年以来、Winnyなどのファイル交換ソフトから感染するウイルスに起因した情報漏洩事件が後を絶たない。ほとんどの企業ではウイルス対策ソフトの導入が行われているはずなのに、なぜだろうか。

   IPAによると、ウイルス感染による企業の平均的な被害額は、中小企業が1社あたり430万円、大手・中堅では1億3000万円になるという。この金額が高いと感じるか低いと感じるかは、セキュリティに対する考え方の違いからくるものかもしれない。

   ファイル共有ソフトを社内利用させないことは当たり前のはずだが、ユーザレベルではそういった意識が徹底されていないのが現状だ。2007年は、日本版SOX法が施行されることもあり、社内の情報を「不用意に外部に漏らさないか」は重要視されるだろう。

   また電子メールなくしては業務が成り立たなくなっている現在、押し寄せるスパムメールの波は大きな問題となっている。スパムメールはメールサーバのリソースを無駄に消費するだけではなく、メール削除に必要な人的コストやウイルス感染の温床にもつながる。

   このようなことから、2006年度におけるセキュリティベンダーの姿勢はこれまでの「ウイルス対策」から「情報漏洩防止、スパムメールフィルタ」といった方向に変わってきており、対応製品を数多くリリースしてきている。企業のITシステムを狙った脅威が多角化、かつ深刻化しているあらわれだといえよう。

   これらのほかにもセキュリティ対策として注目を集めたのが「シンクライアント」だ。

   シンクライアントはご存知のように、サーバ側でアプリケーションやデータを保持し、クライアント側ではデータ類を保管しない。またデータを持ち出すためのインターフェースを備えていない製品も多く、悪意を持ったユーザが機密情報を持ち出すことができないようになっている。物理的に情報を持ち出させないための施策の1つとして、2007年も注目されていくことだろう。

   ウイルスを作成するような悪意を持ったものとの戦いは、まだ終わりそうもない。当然だが、企業の持つ情報は「財産」なのである。価値のあるものを不用意に流失し、それにより企業価値を下げるようなことはあってはならない。

   2007年も「会社を守る」ために、セキュリティ対策は進めていく必要がある。セキュリティに対する取り組みは終わりなき戦いなのかもしれない。

企業の社会的責任に必要な情報セキュリティマネジメント
第1回:情報セキュリティ管理に関連する規格・法制など(前編)
今時のスパムフィルタの選定基準
第1回:スパムフィルタに必要なのは多言語対応/低負担/高検出率
シンクライアント徹底入門
第1回:シンクライアントとは何か
常識として知っておきたい個人情報保護法
第1回:データが語る個人情報保護法の実態

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