
モンタビスタソフトウエアジャパン、MontaVista Linux Professional Edition 5.0を発表
Linux組み込みリアルタイムOS
2007/4/6 17:00
組み込みLinuxにリアルタイム性能と最適化したメモリフットプリントを提供
モンタビスタソフトウエアジャパンは4月5日、米モンタビスタが「MontaVista Linux Professional Edition5.0」をリリースしたと発表した。
同製品は組み込み機器に向けた商用Linux/開発プラットフォームとして、従来のリアルタイムOSに匹敵する性能を備えたもので、今回発表されたバージョン5.0ではこれまでの機能に加え、メモリサイズの大幅な軽減や、最小のコネクティドデバイスに対するソリューションを提供する。
主な新機能は以下の通り。
- Linuxカーネルのバージョン2.6.18をベースとし、リアルタイムパッチやユーザ空間でのリアルタイム拡張を行うほか、パフォーマンスやスケーラビリティ、セキュリティの拡張を統合
- 平均応答時間(スケジューリング・プリエンプション遅延)が5マイクロ秒の範囲となり、従来リアルタイムOSでしか対応できなかった複数の機器におけるリアルタイム要求に応えることができる
- 一般的なLinuxプラットフォームの中でもっとも小さいフットプリントを提供する
- 標準glibcライブラリをベースにしたものと、サイズについて考慮されたuClibcライブラリ上に構築された、2つの最適化されたコンフィギュレーションにより、システムのフットプリントを3Mバイト未満に抑えることが可能
- アプリケーション開発ソリューションの主要なアップデートである、新しい「Application Developer Kit(ADK)」を導入する
- ADKにより提供される、強力な分析ツールやバーチャルターゲット実行環境により、開発者の生産性を大幅に高めることができる
- IPv6のサポートを追加
- 中間処理の最適化や自動ベクトル化、ロケーションリストの利用によるデバック機能強化を行ったGNU C/C++コンパイラ バージョン4.2を採用
- 統合開発環境であり標準のEclipseプラグインとして利用できるDevRocket 5.0を採用
今回の発表に際し、モンタビスタ CTO兼創立者のJim Ready氏は「Linuxは、より広範囲な接続性とコンバージェンスのエコシステムを促進する、安定した、信頼できるコスト効率のよいプラットフォームを提供し、状況を変えていきます。新しいリアルタイム性能が加わることで、組み込みLinuxの可能性は無限大です」と述べている。
(ThinkIT編集局 神保 暢雄)