第4回:ガーベッジコレクション (2/2)

徹底攻略Java 2プログラマ問題集 Platform 1.4対応
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第4回:ガーベッジコレクション
著者:八木裕乃/明壁敦子
監修者:須澤秀人  編者:ソキウス・ジャパン   2005/8/4
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解答

   1ページ目の問題の解答を掲載します。解答には、問題の正解やその理由だけでなく、用語や重要事項などが詳しく解説されています。
第1問の解答: B、D、E

   ガーベッジコレクションは、使用されていないメモリを回収する仕組みです。どこからも参照されていないオブジェクトは、JVMによって自動的に破棄されます。System.gc( );や、Runtime.getRuntime( ).gc( );と記述することで、ガーベッジコレクションの実行を促すことができますが、そのタイミングを調整することはできません。

   各選択肢に関する説明は以下のとおりです。

A. ガーベッジコレクションは、使用されていないメモリを回収しますが、使用されているメモリは回収しません。オブジェクトは、参照変数によって参照されていれば、使用されていると判断されるので、参照変数にnullを代入しない限りは、ガーベッジコレクションの対象となりません。誤りです。
B. System.gc( );や、Runtime.getRuntime( ).gc( );を記述することで、ガーベッジコレクションの実行を促すことができます。正しい記述です。
C. finalizeメソッドは、ガーベッジコレクションの実行を促すメソッドではありません。finalizeメソッドは、Objectクラスに定義されているメソッドで、ガーベッジコレクションによってオブジェクトが破棄される際に実行されます。誤りです。
D. ガーベッジコレクションが実行されるタイミングを、詳細に制御することはできません。正しい記述です。
E. ガーベッジコレクションが実行されるタイミングを、詳細に制御することはできないため、そのタイミングに依存したプログラムは記述すべきではありません。正しい記述です。
   したがって、BDEが正解です。


第2問の解答: E

   09、10行目のように、互いに参照し合っているオブジェクトのガーベッジコレクションの扱いに関する問題です。

   相互に参照があったとしても、その参照が相互のオブジェクトの間で閉じていて到達不可能な場合、そのオブジェクト群はまとめてガーベッジコレクションの対象となります。

   10行目の終了時点での、2つのオブジェクトの関係は以下のとおりです。

   11行目の終了時点での、2つのオブジェクトの関係は以下のとおりです。

   12行目の終了時点での、2つのオブジェクトの関係は以下のとおりです。

   11行目で、07行目で作られたオブジェクトの参照変数sm1からの参照がなくなります。しかし、このオブジェクトは08行目で作られたオブジェクトから参照されており、08行目のオブジェクトは参照変数sm2でまだ参照されています。このタイミングではどちらもガーベッジコレクションの対象にはなりません。

   12行目で、作られたオブジェクトの参照変数sm2からの参照がなくなります。このタイミングで互いに参照し合っている2つのオブジェクト両方がガーベッジコレクションの対象となります。したがって、Eが正解です。


第3問の解答: C

   Stringオブジェクトの不変性と、ガーベッジコレクションを絡めた問題です。Stringオブジェクトの不変性に関しては、書籍の第8章の解答21を参照してください。

   04行目の終了時点での、2つのオブジェクトの関係は以下のとおりです。

   05行目の終了時点での、2つのオブジェクトの関係は以下のとおりです。

   05行目で、03行目で作られたオブジェクトの参照変数aからの参照がなくなります。"Hello"を格納したStringオブジェクトがガーベッジコレクションの対象となります。したがって、Cが正解です。

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書籍紹介
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発売日:2004.12.17発売
販売価格:3,360円(税込)

著者プロフィール
八木 裕乃
株式会社CSK 教育サービス事業部に所属。現在は、Java、UMLを利用したオブジェクト指向系の開発講座のコース開発からインストラクションまでを担当。Javaとはα版からの付き合いでそろそろ10年来となる!?取得資格:SJC-P、SJC-WC、OCUP Foundamental、MCSD、オラクルマスターなど著書:「マイクロソフト認定技術資格試験 MCP/MCSE必須用語辞典」(アスキー)



著者プロフィール
明壁 敦子
株式会社CSK 教育サービス事業部に所属。Java、UML、XML、オブジェクト指向、Webアプリケーション開発などの教材作成および講義を担当。Sun認定Javaインストラクタとしては、自らがJavaの習得に苦労した経験から、初心者でも解りやすい講座を心がけている。取得資格:SJC-P、SJC-WC、OCUP Fundamentalなど



監修者プロフィール
須澤 秀人
株式会社CSK 教育サービス事業部に所属。Java、UML、XML、ASP.NET、C、C++などの教材作成および講義を担当。「よく食べよく寝る」が座右の銘。取得資格:SJC-P、SJC-WC、OCUP Fundamentalなど著書:「dBASE?PLUSパーフェクトマスター入門編」(秀和システム)、「基本情報技術者 午後 Java スーパー攻略」(秀和システム・共著)など



編者プロフィール
株式会社ソキウス・ジャパン
クォリティ・メディア・カンパニーを標榜する出版社。2001年11月設立。2002年10月より株式会社インプレスと協業し、これまで30冊近い「徹底攻略問題集」を編纂する。また、自社で月刊「オープン・エンタープライズ・マガジン」を発行、発売している。
http://www.sociusjapan.co.jp/


INDEX
第4回:ガーベッジコレクション
  問題
解答
徹底攻略Java 2プログラマ問題集 Platform 1.4対応
第1回 クラス定義とアクセス制御
第2回 制御文、アサーションと例外処理(1)
第3回 制御文、アサーションと例外処理(2)
第4回 ガーベッジコレクション
第5回 Java言語の基礎(1)
第6回 Java言語の基礎(2)
第7回 演算子とデータのメモリ割り当て(1)
第8回 演算子とデータのメモリ割り当て(2)
第9回 オーバーロード、オーバーライド、実行時のデータ型(1)
第10回 オーバーロード、オーバーライド、実行時のデータ型(2)
第11回 オーバーロード、オーバーライド、実行時のデータ型(3)
第12回 スレッド
第13回 java.langパッケージのJava言語の基礎
第14回 コレクション・フレームワーク

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