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| コールセンターのログデータ活用
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企業のコールセンターには、様々な顧客の苦情や相談が寄せられる。当然ながらこれらは、実際に顧客が商品・サービスを利用して不満に感じたことや困っていることである。もちろん、企業として実施困難な意見も含まれているが、中には原因究明や再発防止に努めないと、顧客が他社に流出してしまうといった事象も多く寄せられている。
これらの事象を改善することにより、高い顧客満足やリピート利用を促すことができる。実際に商品改善や離反防止のためにテキストマイニング分析を利用しているケースが非常に多く存在するので紹介しよう。
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| コールログを用いた商品改善の事例
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まずはある通販会社のケースを見ていこう。同社では返品理由を入力した顧客の声データベースを蓄積・管理しており、そのデータ件数は年間30万件にもおよぶ。これを部署別、担当者別、商品カテゴリ別などに分類し分析を行う。
返品理由を分析していると、ある衣類のカテゴリの中で「チクチクする」「ヒリヒリするする」「赤くなる」などの理由が集中しているものがあった。そこで同社では、その素材をやわらかいサテンに変更することで、売上げを伸ばすことに成功している。
またある食品メーカにおいて、お客様相談センターに寄せられた問い合わせ内容を分析してみると「賞味期限がわからない」「ラベルがない」などの内容が集中している商品シリーズが見つかった。
これはラベルが貼られている外袋を捨ててしまい、中の容器だけを保管し、しばらく経ってから寄せられた内容であった。そこで食品メーカでは、賞味期限の表示位置を変更し、顧客の不安を解消することに努めた。
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| コールログから解約防止施策の立案
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次に解約防止施策の立案に活用しているケースを見ていこう。
ある有料放送事業者では、10名程度の解約防止専門チームを立ち上げ、解約理由を申込者の属性（年代や性別など）ごとに分け、代表的なキーワードを分析している。その結果を用いて、解約の申し出のあった顧客に対するトークスクリプトを作成し、実際に顧客のつなぎとめに活用している。
例えば40代以上の会員には電話で解約の申し出があった際に、翌月以降の映画の話題作のスケジュールを中心に紹介し、20歳以下や30代前半の会員にはコンサートの放映予定や来シーズンのスポーツ中継予定を案内している。その結果、解約申し出のあった顧客のうち、約18〜20%は継続利用になり、顧客のつなぎとめに成功している。
TRUE TELLERではこのような分析の際に、話題機能やキーワード抽出、属性クロス分析やアラート分析、FAQ作成支援機能などを活用することができるようになっている。
また近年では特に製造業において品質管理に活用するケースが多い。これに関しては次回の内容で解説していく。
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| 様々なテキストデータの分析
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その他にもテキストマイニング分析の活用によって成功した事例は多い。今回はインターネット掲示板の事例を紹介する。
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| インターネット掲示板からヒット新商品を開発
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ある電気機器メーカーは、化粧品に関するインターネット掲示板の書き込みを利用して、まつ毛を熱によってカールさせる美容機器を開発し、ヒットさせた。
掲示板に書き込まれたマスカラ利用者の約1,000件のコメントをテキストマイニングによる分析をした。すると、利用者は、当初想定していた「まつ毛がしっかり上を向く」や「カールが長持ちする」といった期待だけでなく、「マスカラがダマ（塊）にならない」といった要望も持っていることがわかった。このメーカーは、想定していなかったそれらの要望を商品開発に活かし、ヒット 商品を生み出した。
このようなインターネット掲示板やコミュニティに加え、blogやSNSなどには様々な利用者の声が飛び交っている。これらの声を汲み取り、ちょっとしたニーズやリスク情報をいかに察知するかは、今後の重要な関心事の1つといえるであろう。
次回はこれらの分析事例を踏まえた上で、企業としていかに顧客の声を経営に活用しているのか、いくつかの先進企業のケースにそって見ていきたい。
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著者プロフィール
株式会社野村総合研究所 神田 晴彦
野村総合研究所ビジネスインテリジェンス事業部にてテキストマイニングを活用したCS調査や、データマイニング分析コンサルティングを数多く手がける。近年はテキストマイニングによるBlog分析やFAQ構築、品質管理・経営層向けのポータルサイトの構築を実施している。また人材育成プロジェクトも担当し、日本で最初となるテキストマイニング認定試験の企画に携わる。高度情報処理技術者（上級シスアド）。
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