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顧客の声を活用するテキストマイニング
第4回:テキストマイニングの活用事例
著者:
野村総合研究所 神田 晴彦
2007/1/26
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テキストマイニングによるアンケート分析の事例
第4回の今回は、実際のテキストマイニング分析の様子や分析結果を活用した企業の事例を紹介していこう。
アンケートによるブランドイメージ比較
まずは、ブランドイメージ比較の分析の様子を見ていきたい。
読者の皆さんにとって、自社の企業イメージや商品・サービスの評価が競合である企業のものと比較して、どのように評価されているのかは気になるところであろう。この比較する項目を設定することが非常に難しい。
例えば3社の自動車メーカのイメージ比較を考えてみよう。従来の代表的なものとしては、調査票を設計し、そのポイントを計算していく手法が主流である(図1)。
図1:従来のアンケート手法の例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
しかし「
第1回:テキストマイニングとは
」でも述べたように、ここには1つの課題が存在する。
この調査票で比較できる項目は、その設計者が検討した項目のみであるということである。つまり設計者が想定できなかった項目や、消費者がその他に商品・サービスに対して抱いている具体的なイメージを把握することは不可能であるということだ。
そこで図2のような調査票を設計して対応する。これは5年ほど前に実施した自動車メーカの企業イメージ比較の調査票である。
図2:自由記述の調査票
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
このアンケート結果から、テキストマイニング分析をしてみると図3ようになる(ここではTRUE TELLERのマッピング機能を用いて分析)。
図3:テキストマイニング分析結果
(出所:実践!!ネットリサーチ マーケティング担当者必携BOOK)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
この例では、係り受け内容をコレスポンデンス分析という手法を用いて分析し、TRUE TELLERの機能によって平面にマップ化している。この分析では、各社に関連性が強い表現や固有の表現が企業名の周辺に配置されるようになっている(特許出願中)。
図3の詳細を見てみると、トヨタには「高級感がある」や「信頼性がある」などのフレーズが、ホンダには「若者に人気がある」や「エンジンが良い」などのフレーズが集中している。またニッサンからは「ゴーンが頑張っている」などのフレーズが見受けられたのは非常に興味深い。このようにテキストマイニング分析によって、自社が他社と比較してどのようにイメージされているかが浮かび上がってくる。
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著者プロフィール
株式会社野村総合研究所 神田 晴彦
野村総合研究所ビジネスインテリジェンス事業部にてテキストマイニングを活用したCS調査や、データマイニング分析コンサルティングを数多く手がける。近年はテキストマイニングによるBlog分析やFAQ構築、品質管理・経営層向けのポータルサイトの構築を実施している。また人材育成プロジェクトも担当し、日本で最初となるテキストマイニング認定試験の企画に携わる。高度情報処理技術者(上級シスアド)。
INDEX
第4回:テキストマイニングの活用事例
テキストマイニングによるアンケート分析の事例
その他のアンケート(満足度調査、商品利用者アンケート、各種実態調査)
コールセンターのログデータ活用