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開発ライフサイクルとVisual Studio 2005という選択肢
第１回：開発ライフサイクルが生むメリット
著者：
日本ユニシス 原 良一
2005/11/1
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開発ライフサイクル全般を支援するツール
最適な開発プロセスを道具の効果的な利用法も含めた形で開発者に提供することは、プロセスエンジニアの腕の見せ所です。しかし今までの開発支援ツールは開発ライフサイクルのうち局所的な開発プロセスを支援するものがほとんどで、利用者が成果物の連携や構成を考える必要がありました。
せっかくの支援ツールも使い方を間違うと開発遅延ツールに変貌します。どんなに優秀な大工でも、かんなでネジを回すことができないように、開発ツールはあくまでも道具であり使い方を間違えば弊害がでます。また開発ライフサイクルの中で各開発プロセスと成果物は一貫性を持って連携させる必要があり、ツールと成果物の連携を意識して使用しなければなりません。
今回紹介するVS2005 Team Systemはこの問題に対応するため、開発ライフサイクル全般をサポートし大規模開発に対応するためのチームでの開発を意識した機能を搭載しています。
VS2005 Team Systemでは表5のような機能が提供されます。
ソフトウェア開発ライフサイクル（SDLC：Software Development Life Cycle）全般にわたる統合された環境
要件定義から実装にいたるまで一貫したモデリング機能
プロジェクトごとに選択可能な方法論や開発プロセスと、それに基づくプロジェクト管理機能
コード解析機能
ユニットテストや負荷テストなど充実したテスト機能
柔軟な拡張性
表5：VS2005 Team Systemの機能
VS2005 Team Systemでは、大きく3つ（アーキテクト、開発者、テスト担当者）に分類したチーム支援の機能と、それを連携・管理する基盤（チーム開発）を提供します（図8）。
図8：VS2005 Team System
（画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します）
それぞれの特徴
VS2005 Team Systemにおいて分類された各項目の特徴を表6にまとめます。
アーキテクト向け：VS2005 Team Edition for Software Architects
アプリケーションや運用における設計者を対象にした機能を提供。UMLやER図などのサポートのほかに、分散アプリケーションを抽象化・視覚化するためのモデリング機能も提供。
開発者向け：VS2005 Team Edition for Software Developers
VS2005が持つアプリケーション開発機能に加えコード精査、パフォーマンスの測定・分析を行う機能を提供。
テスト担当者向け：VS2005 Team Edition for Software Testers
開発者向けの機能をベースに、さまざまなテストの実施とその管理を行う機能を提供。
チーム開発：VS2005 Team Foundation Server
プロジェクト管理に必要となる一連の機能、プロジェクト状況のレポート機能、情報共有のためのポータルサイト、変更管理機能、ビルド機能などを提供。
また、MSF（Microsoft Solutions Framework）といわれるマイクロソフト社で長年つちかわれた開発プロセスが標準で装備。利用者はこれをカスタマイズまたは独自の開発プロセスで置きかえて使用することにより、プロジェクトメンバーがこのガイドにしたがった形で開発が進められるようになっています。
表6：VS2005 Team Systemの分類ごとの特徴
次回は
今回は項目の紹介だけで終わらせていただきますが、次回以降では開発ライフサイクルの中でこれらの機能の利用法と当該ツールの有効性について検証していきます。
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著者プロフィール
日本ユニシス株式会社 原 良一
.NETビジネスディベロプメント所属
汎用機ミドルウェア開発にはじまりオープン系ユーザアプリケーション構築、全社開発標準策定およびユーザ開発標準策定コンサルティングを経て現在に至る。 システムを作るのは人間を信条に、システム開発に人間系の要素を有効に組み込むことに興味。ちなみに写真は検証と妥当性確認を表すV&Vを表現しています。
INDEX
第1回：開発ライフサイクルが生むメリット
はじめに
ソフトウェアライフサイクルプロセス
ライフサイクルモデル
開発ライフサイクル全般を支援するツール
