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多角的に考察する BPM再入門 |
第5回:ワークフローとWebサービスから派生した2つのBPMS
著者:メタジトリー 丸山 則夫 2006/8/18
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BPMを実現するBPMS
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本連載ではBPM(Business Process Management)について様々なトピックスを取り上げながら解説しています。これまですべての回にでてきたBPMSについて、今回改めて解説します。
BPMとは業績の最大化と継続的な成長を実現するための経営手法であり、そうした業務改善のPDCAサイクルを継続的に回していく必要があります。そしてBPMを実現するには経営視点でIT化をする必要があり、BPMS(Business Process Management System)はそれを実現するための実行プラットフォームなのです。
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BPMS適用の領域
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BPMSを用いて、BPMによる情報システム構築するということが急激に広がったのはつい最近です。数年前に「BPM適用領域は広いか、もしくは狭いか」ということが話題になったとき、どちらの意見を支持するかで学識者の意見は大きく2分しました。
この時にはBPMをワークフローとして捉ええうということに落ち着きましたが、「決済ワークフローがBPMを定着させる領域なのか」ということがBPMSの適用領域を決める判断材料として用いられる論点となりました。
例えば、BPMSが情報システムを構築するものだと捉えると「BPMSの適用範囲は広い」ということになりますが、BPMを適用例とすると「BPMSの適用領域は狭い」ということになります。
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Webサービスから派生した広義のBPMS
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しかし最近になって業務の可視化(いわゆる「見える化」)が注目されると、BPMSの領域は広がるようになりました。そうなると、企業の業務プロセスを決済だけではありません。人間の活動あるところすべてにプロセスが存在することになるわけです。
そのプロセスフローは「容易に事前定義できるもの」と、「結果としてプロセスのフローができていて、そのプロセスのフローを事前に定義できないもの」に分けることができます。その結果BPMSの適用領域は大幅に広がってしまい、問題となってしまうのです。
もしフローを重視せずにプロセスに着目すると、プロセス定義ができるものはより広がり、情報化対象となるものすべてがプロセスを持つと言い切れるでしょう。そのプロセスはプロセスの入力などのきっかけで動作し、終わった時点で何らかの新たな情報やイベントを生むとすると、そのプロセス自体の多くは情報化の対象となります。そういったことから、広義のBPMSはWebサービスから派生したといってよいでしょう。
BPMSの種類として、「ワークフローから発展したもの」と「Webサービスからでてきたもの」との違いはここにあるのです。
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BPMの種類とシステムの構築
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人間処理の部分と情報システムに渡す部分をプロセスで定義し、情報システムに渡す部分の仕様がシステム化のための業務仕様となります。
また、業務操作レベルの細かい記述では情報化システム全般を書くのが困難ですし、情報化戦略やグランドデザインの策定には向きません。BPMのモデルには全体を捉えるレベルとそこからは派生する細かい実行レベルがあります。
そのレベル分けしたBPMモデルを使い、システム構築を行おうとするのがBPMSです。そして、肝心なのはBPMSですべてのシステム化情報を記述できることではなく、様々なデータなどのモデル化と連携しながら構築することを認識することです。従来型の開発方法とBPMSとの違いは、BPMを中心に据えたビジネスプロセスセントリックアーキテクチャであるという点です。
そういったことから、BPMSが従来の開発方法論のすべてを否定するものではないことがわかります。また従来の方法論を基にしてBPMを捉えると、BPMの適用箇所が明らかになるのです。
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BPMとSOAの関係
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BPMSと従来の開発手法の比較の次に考えなくてはならないのが、BPMとSOAの関係です。SOAから考えるとBPMSはSOAの1機能となりますが、BPMから見るとSOAはシステムとのビジネスと情報システムの接点です。しかしツールとしてのSOAではなく、概念としてのSOAならばBPMを使っての定義が必要です。
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著者プロフィール
株式会社メタジトリー 代表取締役社長
日本BPM協会 理事 丸山 則夫
経営と情報システム連携をコンセプトとして、システム再構築のコンサルティングビジネスを実施。
ビジネス・プロセスに着目したBPM(ビジネス・プロセス・マネージメント)の活用が情報化社会の進歩に必要と捉え、市場定着とそのための組織化を推進中。
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