SOX法では企業の財務報告に関連する内部統制の仕組みを構築し、この仕組みが有効に機能していることを決算期毎に評価することが求められています。この内部統制構築のためのフレームワークとして広く採用されているのが、COSO(the Committee of Sponsoring Organization of the Treadway Commission)の提唱するフレームワークであることは第1回で述べました。
COSOのフレームワークが取りまとめられた時点では、まだITの要素は取り込まれていませんでした。しかしながら現在のビジネス環境において、ほとんどの業務処理はITで自動化されており、会計情報はすべてデータベースの中に蓄えられ、決算のレポートもITによって出力されています。そのためCOSOに欠けているIT統制の部分は米国の情報システムコントロール協会(ISACA:Information Systems Audit and Control Association)によって取りまとめられた「COBIT(Control Objectives for Information and related Technology)」と呼ばれるフレームワークが補完的に用いられています。