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キーパーソンインタビュー
> IONA Technologies Special Interview
IONA Technologies,Plc
Product Manager Ciaran Dynes(キアラン・ダイネス)
トリニティカレッジ・ダブリン大学卒業、1998年にIONA Technologiesに入社。CORBA/Webサービス/J2EEの技術に精通し、Artix/Artix Connect/Artix J2EE Connector/Artix for Z/OSなど、Aritx製品群のプロダクトマネージャーとして指揮をとる。また最近では、北京にR&Iセンターを立ち上げた。
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Irelandに本社があるIONA Technologyは、Artixやorbixといった企業のITインフラストラクチャを構築する製品をリリースしている。今回同社のProduct ManagerであるCialan Dynes氏とのインタビューを行い、同社の製品や市場戦略について話を伺った。
— 現在、日本でもSOX法の施行に向けて、多くの企業がSOAに取り組んでいます。それは何故なのでしょうか
Dynes氏
:まずは企業のシステムの流れについてお話しますと、1980年代ではオブジェクト指向やコンポーネント指向のプログラミングが中心でした。1990年代になるとオブジェクト指向のプログラミングに変わり、今はSOAというサービス志向に移行しています。ここでいうサービスというものは、実際のオペレーションやコントラクト、つまりは業務を意味すると考えてください。
SOAを使うメリットとは、迅速にシステムの統合を進めていき、新しい活動を即座に提供できるようなることです。SOX法の対応といったコンプライアンスやITガバナンスへの取り組みは企業がやらなければならないことで、早急な対応が必要とされています。
— 企業がESBとSOAの導入に注目している理由はどこにあるのでしょうか
Dynes氏
:「システムの統合化」がキーワードとなっています。ESBがシステムの統合において注目される理由としては、ESBとSOAを使って企業のシステムやサービス、そして技術を統合したいという意向があるからです。
もうひとつはガバナンスです。プラットフォームやミドルウェアに依存しない拡張性の高いESBをベースに、既存のシステムやデータベースをそのまま統合して、かつ必要なものからSOA化を進めることで、高いROI(投資効果)を得ることができます。また段階的にSOAを、全社レベルに拡張できる環境を提供することができるのです。
— しかしSOAとESBという言葉がわかりづらいといわれていますが、具体的には何が実現できるのでしょうか
Dynes氏
:ESBとSOAは、企業のシステムやサービス、技術を統合します。例を述べますと、利用する言葉が違う人でも、通訳をする人がいればコミュニケーションを取ることができるようになります。SOAが利用する言葉が違う人だとすると、ESBが通訳をする人、つまりインフラだとお考えください。
このように言葉が通じないシチュエーションでは、インフラが重要なります。SOAはインフラを作るための基盤だと思ってください。
別の見方をするとSOAというのはアプローチであり、複雑な問題を解決するための統合技術です。その中に求められているものはソリューションなのです。
ESBとSOAの目的とは統合化です。例えば、業務提携の契約書など業務におけるドキュメントに対してSOAを使うことにより、ITシステムと業務のドキュメントを橋わたしすることができます。これによってビジネスの統合の問題を解決することができるようになります。
Artixは既存のミッションクリティカルなシステムを維持しながら、SOAを取り入れてシステムの統合化をサポートします。さらに拡張性に優れたESBであるArtixは、大きくなったITシステムや利用環境を容易に統合化ができるというメリットも提供します。
— Artixは、どういう業種や業態で利用されているのでしょうか
Dynes氏
:IONAでは3つの市場で製品が利用されています。ワールドワイドで見た場合、通信事業、金融事業、公的機関です。
SOA
SOA(Service Oriented Architecture)とは、システムを用いる際の概念または手法であり、1つの業務または機能を1つのサービスと見立て上げ、そのサービスを連携させてシステム全体を構築していくことを指す。
ESB
ESB(Enterprise Service Bus)とは、標準に基づくメッセージ(JSMやSOAP)をもちいることで、各サービス同士を互いに結び付ける役割をはたす、システム上のインフラのことを指す。
参考:安定したサービス指向を支えるESB
http://www.thinkit.co.jp/free/trend/14/1/1.html
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