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2006年注目を浴びたHOTキーワード10 |
前編:イントラブログ/SNS、見える化、ERP、SOX法、SaaS
著者:ThinkIT編集局 2006/12/28
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今年もIT市場では、様々なキーワードが取り上げられた。すぐに思いつくのが「Web 2.0」や「見える化」ではないだろうか。そのほかにも、いくつもの言葉が浮かび上がってくる。そこで2006年のまとめとして、今年注目を浴びたキーワード10個をピックアップし、ThinkIT流にその背景や考察をまとめてみよう。まず前編では、5つのキーワードを紹介する。
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どんなツールを導入するかより、何を実践していくか |
様々な企業から2006年を通して聞こえてきたものが「コミュニケーションの不足」「ナレッジの共有」「集合知」といったキーワードだ。これらに象徴されるように、2007年問題の本格突入を前にして企業内情報の交換および集約の必要性が高まっている。
このような状況の中で、すでにコンシューマ市場において情報交換のツールとして活用されていたblogやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、そしてグループウェアに注目があつまり、企業導入が進んだ年となった。
これらのツールの共通点としては、まさに情報の集約と交換に特化した機能を備えているという点があげられる。一方的な発信に留まらない特性を活かすと共に、そこからの新たなビジネス創出までの幅広い目的を担うツールとして期待されている。
しかし情報の交換や集約は、単にツールを導入したり、ツールを使うスキルを習得しただけでは実現できない。2006年の後半はまさに「いかに使いこなすか」というフェーズに各企業が意識を向けはじめた段階だといえるだろう。
また一方で、これまで社内の情報交換の牽引役となっていたグループウェアにも、企業ビジネスの目的に合致した機能やサービスを盛り込むという動きがでてきている。
そこには1つのツールに集約するか、それとも必要な機能/ソリューションごとに使い分けるのか、といったIT分野で日ごろよく見られる状況が再現されている。すべてのユーザや企業に受け入れられるオールインワンのツールが存在しない以上、今後もこの状況は続くだろう。
さらに、これらのツールが社内の情報交換だけでなく、社外への情報発信のツールとしても利用されはじめている。一例が企業ブログの台頭で、顧客からの意見の吸い上げとそれを活かしたビジネス展開を目指し、試行錯誤が行われている。
これらの状況を踏まえ、2007年は「実用」の段階に移行するか、様々なツールのように過去のものとなるかはまだ未知数である。必要なのはツールそのものではなく、企業とそこで働く人々の意識の変革だ。旧来の、情報が個人に集約する状況を受け入れ続けるか、それとも情報交換によって個人個人の力をマッシュアップしていくか。このどちらの選択肢を選ぶかによって「イントラブログ」や「企業SNS」「グループウェア」の価値が決まるといえるのではないだろうか。
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見える化は手段であって目的ではない |
ここで1つ問いたい。見える化はブームだったのだろうか。
「見える化」という言葉は様々なメディアで取り上げられ、2006年のキーワードの1つといえるだろう。それに順ずるように「はかる化」などのキーワードが生まれ、誌面をにぎわした。確かにブームであったといえよう。
実際に見える化ツールを導入した方々も多いだろう。その現状はと聞かれると、うちの企業風土にはあわないと感じて実践していなかったり、忙しさから継続できていなかったり、ツールが取り残されている状態ではないだろうか。
そのようになってしまった理由として、「見える化の導入や実践が目的化している」ということがあげられる。
ThinkITでは、改めてこの「見える化」について考えるため、連載「見える化とは何か〜改めて問うその真価」を掲載した。「見える化」はなぜ必要かという問いからはじまり、実際にツールを利用した管理手法を紹介している。忘れてはいけないことは、見える化は手段であって目的ではないということだ。
また「見える化」を履き違えているケースがある。「見える化」とは、ただグラフィカルに表示される画面のことではない。それはただ見えるだけであり「見える化」ではない。つまり「見せる」必要があるのだ。
連載「意思決定の迅速化!見える化・見せる化ソリューション」では、ただ見えるだけではなく、「見せる」を強調したソリューションを紹介している。実際に様々なケーススタディを紹介し、その実践化を促進する内容だ。
見える化とは、見せることで実際の行動につながり、目的達成(プロジェクトの成功)のために必要な手段であることを忘れてはならない。
2007年には、これら見える化手法を利用したプロジェクトの結果が多くでてくるだろう。その時、企業のあり方が変わるのかもしれない。
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