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バックアップ・ソフトウェアを使用する意味
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前回まではOSSを使用したバックアップ方法ということで、主にコマンドによるバックアップ手法を紹介してきました。今回から2回に渡って、商用ソフトウェアによるバックアップ手法をご紹介します。
そもそも、商用のバックアップ・ソフトウェアを使用するメリットは何でしょうか?
データをバックアップ/リストアするという機能は一緒ですが、その管理性が異なっています。特に、メディアの管理やスケジュールの設定において、直感的な操作が行えるということは、複数台のバックアップ統合を行い、間違いが無い設定を可能にします。
例えば、mtコマンドを使用したテープの管理と、NetVaultのメディア管理を比べてみるとよくわかります。mtコマンドを使用した場合には、テープの位置やバックアップされたデータの内容に関しては別で管理する必要がありました。しかしバックアップ・ソフトウェアを使用すると、メディアごとに管理データベースが作成され、一目で確認ができるようになっています。(図1)
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図1:メディアの管理 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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逆にデメリットを考えてみると、なんといっても費用面があげられます。個人レベルで購入できるものは少なく、主に企業レベルで使われることがほとんどです。
また、バックアップ・ソフトウェアの場合は標準化された仕様というものが無く、A社製のソフトを導入したバックアップサーバで、B社製のソフトが導入されたバックアップクライアントをバックアップすることができません。また、ソフトによっては、オープンなフォーマットが使用されていない場合があり、同じソフトでないとリストアできないケースもあります。
可能な限り事前に評価版などを使用し、自分の要件に合うかどうか確認することは、無駄な投資を抑える意味でも必要なことです。
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NetVaultとは?
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NetVaultはバックボーン・ソフトウエアによって開発されたマルチプラットホーム対応のバックアップ・ソフトウェアであり、市場に存在するほとんどのOSをサポートしています(表1)。
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- Windows
- UNIX
- Linux
- Mac OS X
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表1:NetVaultの主な対応OS
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注:更に詳細なOS対応についてはメーカのサイトから確認が可能です。
http://www.bakbone.co.jp/products/netvault_os.html
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OSを選ばないということは、管理者の負荷を低減するバックアップ統合がとても簡単に行えます。
図2は、バックアップ統合の一例を示しています。2台のバックアップサーバ(オレンジ色)によって、7台のバックアップクライアント(青色と緑色)と、1台のNAS(紫色)が管理されています。面白いのは、緑色のバックアップクライアントです。通常、サーバ/クライアント型のシステムの場合、テープ装置はサーバ側に集約されますが、データ量が多い場合にはクライアント側に直接デバイスを接続したり、サーバとクライアントで1台のテープライブラリをSAN(Storage Area Network)によって共有したりすることが可能になっています。また、リモート管理端末(黄色)を別途配置し、複数台のサーバを一括管理する仕組みも備えています。
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図2:NetVaultの統合例 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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実際の導入例では、30〜40台のバックアップクライアントにつき1台のバックアップサーバを配置し、6〜7台のバックアップサーバをGUIの統合管理ツールを使用して操作するようなケースもあります。
従来までは非常に高価であったSANも、価格が低下してきており、あわせてiSCSIなどで既存のEthernetベースのインフラを使用可能なネットワーク・ストレージソリューションも非常に安価に構築できるようになるため、ディスクストレージとあわせて考えましょう。また、テープストレージが「木を見て森を見ず」にならないよう、大きな視点で考えていく必要があるでしょう。
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著者プロフィール
バックボーン・ソフトウエア株式会社 青木 浩朗
ストレージ専業ベンダーにて、SEおよび企画を担当した後に、2001年にBakBoneSoftware入社。主に大手ベンダーのSEを担当しながら、テクニカル・マーケティングとして、各種講演や執筆活動を行っている。最近は、特にデータベースとクラスタリングに注力し、検証レポートを作成するのをライフワークとしている。
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