オラクル、データベースの処理を高速化させる「Oracle TimesTen In-Memory Database 7」を発表
オラクル データベース 組み込み
2007/3/8 11:00
組み込み系とSI系の2領域で展開
日本オラクルは3月7日、「Oracle TimesTen In-Memory Database 7」の出荷を4月3日より開始すると発表した。
同製品は、アプリケーションサーバの物理メモリ上にデータストアを配置することにより、アプリケーションからのデータ取得のレスポンスを高速化させるRDBMSで、リアルタイム性が求められる金融サービスやチケット予約、GPSサービスなどへの導入が見込まれるという。製品のライセンス価格は、データストアサイズ2GB以下で150万/プロセッサより。
また、2005年6月のTimesTen買収後初のバージョンアップとなり、Oracle Database 10gとの連携とキャッシュ機能の強化をはかっているだけでなく、5年間のプレミアサポートと無制限サポートが選択可能な「ライフタイムサポート」を適用することになったという。
日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤 智光氏よると「超高速インメモリデータベースが求められるようになってきた」という。同社では同製品を「ハードウェアに組み込むエンベデッドと、Oracle Databaseなどと連携してアプリケーション実行基盤を構築するSI利用の2つの領域において展開していく」という。
日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤 智光氏
組み込みのメリットとしては「同製品を組み込むことで、ハードウェアベンダーはサービス、ネットワーク、アプリケーションの開発に注力することができ、ローコスト化することができる」と述べた。なお、すでにNECの「NC9000」においての採用が決まっているとのこと。
SIとして同製品を導入することのメリットについては、「処理量が非常に多いアプリケーションでは、アプリケーションとデータベースの間でI/Oネックが生じ、結果としてアプリケーション処理そのものが遅延した。同製品を活用することで、I/Oネックを解消し、処理の高速化を実現できる」と説明した。なお、導入効果を評価するためのツールとして「簡易パフォーマンス評価キット」を製品と一緒に出荷するとのこと。
また「これまで、高速処理のロジックやデータ連携の仕組みは、アプリケーションごとに開発・用意していた。しかし、高速化処理、中間データの冗長、データベースとの同期などの処理は、同製品によってまとめて実行することができる」という。
なお、今回のバージョンにおいて強化されたキャッシュ機能の詳細については、同社システム製品統括本部 営業推進部 Grid Computingグループ 担当シニアマネジャー 根岸 徳彰氏が説明を行った。
システム製品統括本部 営業推進部 Grid
Computingグループ 担当シニアマネジャー 根岸 徳彰氏
根岸氏は「強化したキャッシュ機能として、Automatic Load on SelectとAutomatic Data Agingがある。Automatic Load on Selectでは、TimesTenのキャッシュに該当データがない場合、バックエンドのOracle Databaseからデータを取得する、逆にAutomatic Data Agingではキャッシュ上で古くなったデータを自動的に削除する」と解説した。
今後は20名の組み込み専任営業と技術組織により提案活動を行っていくという。また研修の実施やパートナーによる顧客提案の拡大を目指したコミュニティの設立を予定しているとのことだ。
問い合わせ先
日本オラクル株式会社
URL:http://www.oracle.co.jp/
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(ThinkIT編集局 千本松 歩)