TOPThinkIT News> ヤマハ、内線VoIPソリューションに電話帳サーバ「RTV01」を発表
ThinkiIT News
ヤマハ株式会社
ヤマハ株式会社

ヤマハ、内線VoIPソリューションに電話帳サーバ「RTV01」を発表
  2005/7/26
ヤマハの内線VoIPソリューション

   ヤマハ株式会社は7月26日、中小企業向けの内線VoIPソリューションの拡大のため、電話帳サーバ「RTV01」を発表した。総務省より今年3月4日、昨年末におけるIP電話サービスの電話番号が800万件を超えたという発表があったが、そのほとんどは個人向けのサービスであり、企業においてはまだそれほど普及していないのが現状だ。

電話帳サーバー「RTV01」
電話帳サーバー「RTV01」

   ヤマハでは企業向けの内線VoIPソリューションにおける課題として、内線電話の番号管理に手間がかかる点を挙げている。これまではVoIPゲートウェイの電話帳にすべての電話番号を登録する必要があり、拠点の増減に伴いすべての電話帳の設定を変更しなければならなかった。この課題を解決するのが電話帳サーバ「RTV01」であり、導入することにより番号を一括して管理することができる。

   「RTV01」で番号を一括管理することにより、設定の簡素化だけでなく運用管理の負担も減らすことができる。また、冗長機能や分散化の機能により信頼性を上げ、よりソリューションとして提供しやすくなっているという。他にも通話履歴、障害履歴を参照することができ、運用管理機能が充実している。また、RTV700などのVoIPゲートウェイを利用することにより既存のPBXを活用できるのもヤマハの内線VoIPソリューションの特徴である。


RTV01のしくみ

   ヤマハのRT57iなどのVoIP機能を持つルータで構築されたネットワークにRTV01を導入することにより、ネットワーク内の内線番号を管理することができる。また、インターネットVPNを利用することにより、ブロードバンド回線を利用した他拠点との内線VoIPが可能となる。

   RTV01には事業所番号とIPアドレスの対応が登録されており、内線で電話をかけるとまず事業所番号をRTV01に問い合わせ、指定されたIPアドレスのルータへと転送される。そして、ルータに登録された内線番号へとつながり、通話が可能となる。既存PBXを利用する場合は、RTV01からVoIPゲートウェイに転送され、PBXに登録された内線番号へとつながるしくみである。

   これにより、事業所が増えた場合などにはその事業所のVoIPゲートウェイやPBXに内線番号を登録し、RTV01に事業所番号とIPアドレスを登録するのみで対応することができる。


RTV01の機能

   特徴的な機能として、冗長機能、サーバ間連携、滑る機能などがある。

   冗長機能は2台のRTV01を使用し、プライマリ・セカンダリでの運用が可能。ルータの冗長化に使用されるVRRPと同様にRTV01間で連携し、プライマリのRTV01が障害により使用できなくなった場合、自動的にセカンダリのRTV01が動作することによってシステムダウンを回避できる。

   サーバ間連携機能は、たとえば東日本の事業所と西日本の事業所それぞれにRTV01を設置し、分散して管理することで、東西のルートが分断された場合でも事業所内の通話を確保することができる。

   また、ひとつの事業所番号に対して複数のIPアドレスを登録することができ、ひとつのルータの最大通話数を超えた場合、別のルータへと「滑る」ことができる。これにより同時通話数を増やすことが可能だ。

   インターフェイスにはLANポートが4つ、設定や管理のためのSETUPポートが1つ、シリアルポート1つがある。また、ダウンロードボタンというものがあり、ボタンを押すことにより最新のファームウェアへの更新ができる。これまでのヤマハの製品ではファームウェアの更新にPCが必要となっていたが、ダウンロードボタンによりPCレスで最新ファームウェアへの更新が可能だ。ダウンロードボタンは今後のヤマハの製品にも搭載する予定とのこと。

   発売は2005年10月下旬を予定しており、希望小売価格は税込みで207,900円。