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株式会社日立製作所 |
日立製作所、Cosminexus Version 7を発表 2006/2/28
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SOAによる情報システム構築の本格化に対応するCosminexus Version 7
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2006年2月27日、株式会社日立製作所本社にてアプリケーション基盤ミドルウェアCosminexus Version 7の製品発表会が行われた。情報・通信グループ ソフトウェア事業部長 中村 孝男氏は「日々激変するビジネスの変化に迅速に対応するため、柔軟かつ高信頼なサービス統合基盤が重要」と述べた。そして、「ハードウェアを含めてソリューションを提供していける」と、オールインワンで顧客の要望に応えていける日立の強みを強調した。
情報・通信グループ ソフトウェア事業部長 中村 孝男氏
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Cosminexusとは
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新製品の紹介をする前に、Cosminexusの説明を少しておく。CosminexusはWebアプリケーションサーバを中心とした、高性能・高信頼なコラボレイティブEビジネスプラットフォームであり、表1のような様々な基盤製品群がある。
- 高信頼なアプリケーション実行基盤
- Web/Javaベース業務の容易なアプリケーション開発環境
- 既存IT資産や外部リソースを活用するためのシステム連携基盤
- モバイルアクセスやポータルなど利便性の高いWebフロントを実現するフロントアクセス基盤
表1:Cosminexusの基盤製品群
日立はこれまでシステム構築で培ってきたノウハウとBPEL(Bussiness Process Execution Language:ビジネスプロセスの実行を既述するための言語)やESB(Enterprise Service Bus)といった標準技術を組み合わせることで、顧客に最適なソリューションを提供してきた。
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2006年は様々な企業がSOAに本格的に取り組みはじめる
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中村氏の挨拶に続いて、情報・通信グループ ネットワークソフトウェア本部長 阿部 淳氏によるCosminexus Version 7の機能説明が行われた。阿部氏によると、2006年は様々な企業がSOAに対する本格的な取り組みを開始していくという。
情報・通信グループ ネットワークソフトウェア本部長 阿部 淳氏
「『ITインフラの現状を把握して次世代のアーキテクチャへとつなげること』が日立のSOAのアプローチ」と、安部氏はビジネスの変化に迅速に対応する情報システムを実現するための日立の取り組みを紹介した。
分断化された業務システムや複雑化したITインフラを改良することは非常に難しい。しかし、SOAは既存の資産をうまくいかすので、これまで業務・部署ごとに設けられていた業務システムを統合し、変化に強いITインフラとともに統合された業務システムを構築できる。
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変化に強いSOA基盤が追加
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「Cosminexus Version 7ではSOAへの対応を強化した」と、阿部氏はCosminexus Version 7の1番の製品特徴を述べた。SOAへの対応を強化するために、Cosminexus Version 7において、表2の4製品が新製品としてラインナップされる。
- uCosminexus Service Platform
- uCosminexus Service Architect
- uCosminexus Information Federator
- uCosminexus Information Replicator
表2:Cosminexus Version 7の新ランナップ
図1:Cosminexusサービス統合基盤アーキテクチャ (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
「uCosminexus Service Platform」「uCosminexus Service Architect」は日立だけでなく、各パートナーのソリューションと相互に連携できるプラガブル(脱着可能)なプロセス統合を可能とするという。
また、「uCosminexus Information Federator」「uCosminexus Information Replicator」では統合するデータの鮮度や加工度合いに応じた3つの情報統合サービスを提供する(図2)。
図2:情報統合サービスの提供 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
新製品により、タイムリーに利用可能な情報統合が可能となるが、アプリケーションを開発するだけでなく、業務データを統合・連携させるための手段もアプリケーション開発の効率化において必要であると思われた。
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Cosminexus Version 7のSOA対応強化点
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Cosminexus Version 7は表3の特徴をもっている。
- アプリケーション間連携のための開発作業の大幅な簡素化
- 業務変更が起きてもビジネスプロセスの定義変更で柔軟に対応可能
- JP1ジョブスケジューラーとの連携でビジネスプロセス実行の自動化が可能
- ビジネスプロセス実行中の障害に対して、プロセス再実行による障害運用性の確保
表3:Cosminexus Version 7のプロセス統合機能の特徴
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適用例の解説とデモ
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アプリケーション間連携へのプロセス機能の適用例として、阿部氏は「それぞれの担当者が用いるのが個別のアプリケーションである場合、分断されていているこれらのアプリケーションの連携は人手で行われている。この中のアプリケーション開発の部分をCosminexus Version 7が効率化する」と、小売業の商品手配業務での適用例をあげた。
適用例の紹介のあと、Cosminexusプロセス統合機能の「ビジネスプロセスの定義」「データ変換定義」「サービス接続定義」のデモが行われた。
ビジネスプロセスの定義のデモ
※注1:
リリースされた製品では細部が異なる場合があります
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アプリケーション連携の開発効率が約3倍に向上
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アプリケーション間連携へのプロセス機能の適用例の紹介のあと、再び「uCosminexus Service Architect」の説明が行われた。「uCosminexus Service Architect」はアプリケーションの開発効率のBPEL(Bussiness Process Execution Language:ビジネスプロセスの実行を既述するための言語)に基づきビジネスプロセスのフローを定義しているという。
「uCosminexus Service Architect」は業務の各プロセスを業務アプリケーションの汎用的な構成要素として扱い、それらを組み合わせることで目的の業務アプリケーションの開発を可能とするという。これにより、従来開発者が行っていた各アプリケーション間を連携させるための作り込みの作業が約3倍開発効率が向上したという。
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ユニバーサルアプリケーションプラットフォームへの進化
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最後にCosminexusの進化について紹介があった。Cosminexus Version 7では図3のように情報統合サービスの提供を実現し、ユビキタスからエンタープライズまで共通の環境をアプリケーションに提供する「ユニバーサルアプリケーションプラットフォーム」に進化したという。
図3:Cosminexusサービス統合基盤アーキテクチャ (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
メインフレームの時代からシステム構築のノウハウを蓄積してきた日立だが、今回Cosminexus Version 7で本格的にSOAに取り組むことによって、SOAの普及に拍車がかかるのではないだろうか。
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ターゲットと販売目標
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製品説明が終わったあと、質疑応答の時間が設けられた。ターゲットと販売目標についての質問に対し、中村氏は「全体最適の考え方で業種を特定するのではなく、ほとんどの業種に対応できるものと考えている。様々な業種に対応したものではないと、生き残りは厳しくなってくると思っている」と、Cosminexus Version 7の販売ターゲットについて述べた。
質疑に答える中村氏
また、販売目標はこの5年で年平均10%を目指すという。最後に中村氏今は「Cosminexus Version 7はアプリケーションサーバでシェア2位(日立製作所調べ)だが、Cosminexus Version 7で1位をねらっていきたい」とCosminexus Version 7に自信を見せた。
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