VR報道に本腰入れるCNN 主要なニュースを360度動画で

2017年3月13日(月)
Mogura VR
本記事はVR専門メディア「Mogura VR」から提供されているもので、国内外のVR関連情報をいち早く、正しく、分かりやすくお伝えします。
本連載もついに第30回目を迎えました! 30回目となる今週は、VRのゲーム以外での使い方に関するニュースが相次いでいます。実用化に向けて加速していくVR市場に今後も目が離せません。

認知症診断にVRを! MIT学生チームの研究が2万5,000ドルの賞金を獲得

高齢者向けのVRアプリケーションを開発するRendeverは、マサチューセッツ工科大学による研究賞「スローン賞」にて2万5,000ドル(約285万円)の賞金を獲得しました。本アプリは、早期認知症の診断の役に立つとのことです。VRヘッドマウントディスプレイやタブレットPCを使うことで、利用者たちはVRで一緒に集まり、異国へ旅行したり、試合を見たり、親族の結婚式に参加することが可能になります。

また、思い出を利用した治療法なども存在します。過去の経歴や写真、自分にとって馴染みのあるもの、音楽などを治療と組み合わせることにより、効果が上がるとのこと。

調査結果によると、Rendeverのアプリケーションはマサチューセッツ州ブルックデルにおける高齢者コミュニティの幸福指数を40%上げました。Rendeverの創業者及びCEOのデニス・ラリー氏によると、現在そのデータをMIT AgeLabと協力して検証しています。賞金を受けた後、Rendeverは研究や開発を継続し、認知症をVRで早いうちに診断可能とすることを目標としています。同社は現在、認知症である人とそうでない人との表現の研究をしています。

福祉分野でのVRの活用に関しては、日本では登嶋健太氏が高齢者のリハビリのモチベーション向上のためにVRを利用している事例があります。

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認知症診断にVRを活用 MIT学生チームが開発
http://www.moguravr.com/pico-neo-cv-sdk-vr/

トラクターの製造にVRを活用しコスト削減とデザイン洗練を実現するデジタルモックアップ

農業機械を製造するCNH Industrialは、トラクターや産業機械の設計プロセスに、どのようにVRを活用しているかを公開しました。CNH Industrialのデザイナーやエンジニアは、新製品の設計を今までの物理プロトタイプではなく、VRプロトタイプで行っています。これにより、時間と材料のコストを節約することができます。こうした「デジタルモックアップ」を利用することで、機械、電子工学、人間工学や快適性に関する多数のテストを実行することが可能になりました。

さらに細部を簡単に変更することができるため、デザインの洗練やバラエティに富んだ選択肢の検討ができるようになります。エンジニアはデザインを共有したり、部品ごとに分離して作業を進めたり、発生した問題を解決したりといった設計プロセスを実現しています。

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コスト削減とデザイン洗練トラクターの製造でVRを活用
http://www.moguravr.com/tractor-vr/

2,500万点以上の360度コンテンツを探せるVRアプリをFacebookがリリース

周りの様子をすべて撮影でき、自分の周囲を全方向見渡せる360度写真や360度動画。現在、SNSの「Facebook」には、すでに2,500万点を超える360度写真と、100万点以上の360動画が投稿されています。Facebook社は、「Facebook」に投稿された360度コンテンツを簡単に探すことができるVRアプリ「Facebook 360」をリリースしました。同アプリは、VRヘッドマウントディスプレイのGear VR専用アプリです。「Facebook 360」には、「Explore」、「Following」、「Saved」、「Timeline」という4つのメニューがあります。価格は無料で、Facebook 360のサイトからダウンロードできます。

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Facebook、投稿された2,500万点以上の360度コンテンツを探せるVRアプリをリリース
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建築へのVR活用をサポートするスタートアップが225万ドルを資金調達 無料トライアルも開始

建築やデザインの仕事に、VR技術を活用する企業が増えてきています。建物内や作業現場を見て回れる360度ツアーの制作環境を提供するスタートアップHoloBuilderは、初年度に225万ドル(約2.6億円)を調達しました。HoloBuilderでは360度画像を用意するだけで、建築業者やエンジニアが作業現場の360度ビューを共有するツールや、教育や内覧に向けた360度ツアーコンテンツを制作することができます。エディタでは、Ricoh Theta Sなどで撮った360度画像を用意し、移動に必要なポインターを設置したり、アイコンや説明を書き込んだりして、CardboardなどモバイルVRで体験できるコンテンツを制作できます。

中国で行われた建設業界のイベントConstruTech 2017ではトッププロダクション賞を獲得しており、ソフトウェアの連携をより容易にし、コストを削減するとして評価されています。HoloBuilder以外にも、VRを用いて建築前の家のバーチャルツアーを行うPulteGroupやIKEAのバーチャルキッチンなど、VR技術を建築・デザインに活用する企業が増えています。エディタは有料で提供されているほか、21日間の無料トライアルもあります。

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Facebook、投稿された2,500万点以上の360度コンテンツを探せるVRアプリをリリース
http://www.moguravr.com/cardboard-10-million/

VR報道に本腰入れるCNN 主要なニュースを360度動画で

上下左右を見回すことのできる360度動画をVRゴーグルで体験すると、まるでその空間にいるかのような感覚になります。海外の大手メディアは、報道に360度動画の導入を進めています。New York Timesが360度動画プラットフォーム「The Daily 360」を発表したのに続き、CNNは独自の没入型ジャーナリズムユニット、プラットフォームを発表しました。「CNNVR」と名付けられたこのプラットフォームを通して、世界中の主要なニュースイベントを360度カメラで撮影し、伝えていくとしています。

CNNは、この新しいプラットフォームを利用して、ライブストリーミングや毎週の360度動画の配信以外にもさらにVRの利用を進めていくとのこと。コンテンツは、CNNのモバイルアプリで見ることができます。コンテンツは、同様にCNN.comのウェブサイトから視聴できます。少ないながらもすでに動画が用意されており、シリアのアレッポやコロラドの動物保護区の様子を体験できます。

ここ数年間、CNNはVRをどのように活用するか実験を行っており、50以上の没入型映像を制作してきました。最近ではGoogleのDaydreamヘッドセット用VRアプリも発表しています。海外の報道機関では、New York TimesやCNNだけでなく、ウォール・ストリート・ジャーナルやUSA TodayなどがVRアプリを通した360度動画の配信を始めています。日本でもNHKが「NHK VR」の取組を進めており、今後VRの普及とともにVRを使った報道も広まっていくことが予想されます。

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CNN、VR報道に本腰 主要なニュースを360度動画で
http://www.moguravr.com/cnn-vr/

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