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AppleのAR kitの先を行く? スポーツ観戦が楽しくなるAR双眼鏡

2017年11月2日(木)
ReadWrite Japan

Parle InnovationとeyeQはReadWriteのIoT活動を促すラボの一員である。私自身も非公式ではあるがアドバイザーの役割を務めている。

1921年に初めてラジオでスポーツイベントが放送されて以来、テクノロジーはファンのゲームの楽しみ方を常に変え続けてきた。今ではスマートフォンのアクセサリがスタジアムや運動場、地元の公園などで行われるスポーツ観戦を大きく変えようとしている。

実現した拡張現実(AR)

多くのスポーツファンにとってARと言われても馴染みがないかもしれないが、もう何十年とTVでスポーツ中継を見ている時に体験しているものである。天気予報番組のグリーンスクリーンのように、PVI(Princeton Video Image)によって1995年に、スポーツ中継中に広告動画を表示するシステムが導入されている。

1998年にはPVIとSportVisionがバーチャルなダウンラインをアメフトに導入した。PVIのYellow Down LineとSportVisionの1st and Tenだ。SportVisionはそれから野球にもバーチャルストライクゾーン、ホッケーにもパックトラッカーを導入した。今ではフットボール、野球、バスケットボール、ホッケー、サッカー、モータースポーツに至るまで、ARはスポーツ放送で使われる標準の機能となっている。

では野球やそのほかのスポーツファンがスタジアムで同じAR情報を見ながらゲームを観戦できるとしたらどうだろう。ライブのデータ放送は既にスタンドにいるファンにも提供されている。9月にはサンフランシスコ・ジャイアンツの試合でAppleのARKitがMLBのアプリとともにプロモーションを行い、観客は選手の最新の成績統計を細かく確認することができた。

このMLBアプリの最大の欠点はデバイス自身にある。利用するためにファンはiphoneやipadを常に選手に向けておかねばならず、基本的には生の試合をAppleデバイスを通して観戦することになる。日光や照明の強い環境下でこれは辛い。

テクノロジー企業のParle Innovationの製品 eyeQはスポーツファン向けに新しいレベルのARを届けるスマート双眼鏡だ。同社が狙うのはiPadやスマートフォンを使いながらのスポーツ観戦に付き物のチグハグな感じを取り除くことにある。もう選手の成績を確認するのにMLB.comやウィキペディアにを開く必要はない。ファンはスマートフォンと連動したこのデバイスを使い、選手の成績やオーバーレイされた画像などの情報を、これまでにないくらい試合に入り込みつつ見ることができる。

eyeQとは何か?

eyeQは詳細な情報を表示しつつ没入的な観戦体験を提供するためのAR双眼鏡で、スマートフォンのディスプレイよりも高画質のHDレンズを通して試合を楽しむことができる。eyeQのユニークな観戦体験は、やがて世界中のスタジアムで一般的なものになることだろう。

eyeQはプロの試合観戦のためだけのものではない。どのようなスポーツやライブイベントにも使えるのが素晴らしいところだ。父親が自慢の我が子が出るサッカーの試合を遠く離れた祖父母にストリーム配信したり、母親が家族旅行の一瞬を記録するのにも使える。eyeQはこれまでのスマートフォンによるARアプリでは提供できなかった多くの機能と可能性を実現する。

どのように機能するのか?

eyeQはユーザが即座に使えるようシンプルに設計されている。単にアプリをダウンロードし、eyeQと同期し、スマートフォンをデバイスに取り付けさえすれば観戦のための準備は終わりだ。ユーザはeyeQを覗き込みながらビデオや画像、動画のストリーミングを指先一つで行うことができる。自分が観ている光景をそのままほかの人に配信できるビデオストリーミングは、試合観戦を大きく変えるものになるだろう。あらゆるスポーツチーム側もeyeQを使ってファンの獲得に乗り出すかもしれない。没入的なARの将来は限りないものだ。

eyeQの使い方

eyeQは考えてる以上によっぽど簡単に使える。双眼鏡に取り付けられたタッチパッドからスマートフォンのカメラやほかの機能の操作が行えるため、設定変更のたびに携帯を取り外したりする必要がない。双眼鏡にマウントされると、携帯はBluetoothで無線接続され、素晴らしいHD映像を遮られることなく動画配信や写真撮影が行える。iPhone向けのeyeQ Liveアプリを使えば16倍までのデジタルズームが可能なほか、防水機能も付いている。

スポーツ観戦用のAR双眼鏡

MLBはど世界のスポーツリーグではAR技術が採用されており、「スマート」なファンは選手や贔屓のチームについて周りよりもよくわかっている。野球は成績統計にうるさい競技の一つであり、また試合は9回まで続く。その長い間、ファンは手持ち部沙汰な時間をARアプリで潰すことができる。

eyeQはARアプリを充実させるものだ。ファンが望む没入的体験を提供するだけでなく、普通のARアプリではできない、ズーム機能や動画、写真の撮影することができ、試合の興奮をライブでシェアすることができる。

eyeQの予約販売は2017年10月17日に始まる。スポーツファン達がiPad越しで試合を観戦するのはこのデバイスの登場で変わるだろう。

CLAYTON JACOBS
[原文4]

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。
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