グーグルが取り組む「WebAR」 3Dモデルを現実に
今週はソニーの新型コントローラーの特許や、グーグルによるWebARに関するもの、そしてメガネなしでのAR実現を目指す企業による資金調達のニュースなどが報じられました。これらのニュースの中でも、メガネ型デバイスを使わないARの実現には注目が集まっています。
今のところ、現実空間に3Dモデルを投影するためには、マイクロソフトのHoloLensやMagic Leapなどのメガネ型デバイスを使用するスタイルが主流となっています。
一方、今回ニュースの中で取り上げるライトフィールドラボのように、メガネ型デバイスやレンズを用いない3Dモデルの投影技術は大きく注目されており、現在多くの企業の研究所や大学で研究が進められています。
メガネ型デバイスを使わないAR技術は、メディアのスタイルを大きく変えるのではないかと期待されています。今後の情報も要チェックですね。
グーグルが取り組む「WebAR」 3Dモデルを現実に
グーグルのWebXRチームは、VRやAR(拡張現実)を日常的に利用するWebブラウジングに溶け込ませたいと考えているようです。チームは新たに、3Dモデルをウェブ上で閲覧し、スマートフォンカメラを通してARモデルとして表示できるプロトタイプを開発しました。
今回公開されたプロトタイプはArticleと呼ばれる3Dモデルビューワーです。これはあらゆるブラウザで閲覧でき、PCやスマートフォンで簡単にドラック・回転・ズームといった操作を行うことができます。
Articleでは画像やGIFアニメの投稿と変わらない感覚で、3Dモデルの共有ができることを目指しています。
本ニュースの詳細はこちら:
グーグルが取り組む“Web AR” ウェブの3Dモデルを現実に
http://www.moguravr.com/google-webxr/
Oculus、ストア審査を事前に検証可能なツールを公開
VRアプリケーションを開発しリリースする準備が出来た時、次のステップは審査に合格することとなります。しかし、審査には時間がかかることも多く、迅速に公開したいアプリがなかなかリリースできない状況も発生しています。
PC向けVRヘッドセットOculus Riftを提供しているOculusは、審査の際の問題をすばやく特定し、検証できるツール「VRC Validator」を公開しました。
「VRC Validator」では、アプリの提出前にアプリケーションがVirtual Reality Check(バーチャル・リアリティ・チェック、VRC)のガイドラインを満たさない可能性がある点を特定する際に役立ちます。
たとえば次のような審査点を指摘してくれます。
- アプリケーションのフレームレートが低い
- インタラクションの呼び出し失敗
- エンタイトルメントのチェック
- アプリケーションの読み込み速度やフレームが正しく送信されているか
これらは一斉に実行することもできますし、アプリケーションのどの部分に関係しているかを調べるために1つずつのテスト実行も可能です。各テストが完了するまでの時間は、10~30秒ほどとなっています。
本ニュースの詳細はこちら:
Oculus、ストア審査を事前に検証できるツールを公開
http://www.moguravr.com/oculus-vrc-validator/
PSVR向けか? ソニー、スティック搭載コントローラーの特許を取得
VRヘッドセット「PlayStation VR(PSVR)」のコントローラーにはPlayStation 3から使えている「Move モーションコントローラー」が利用されていますが、専用コントローラの登場を待つ声も少なくありません。そんな中、PSVRの新型コントローラーを思わせるソニーの特許が新たに登場しました。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)によって日本で出願され、今月公開された特許では、ゴツゴツと角ばった手持ち式のコントローラーのイラストが確認できます。
外観上の特徴としては、親指がかかる中央部分にアナログスティックが搭載されていることでしょう。これにより、カーソル移動やメニューの選択が簡単になりそうです。なお、このようなアナログスティックつきのVRヘッドセット用コントローラーとしては「Oculus Rift」用の「Oculus Touch」があります。
本ニュースの詳細はこちら:
PSVR向け?ソニー、スティック搭載コントローラーの特許を取得
http://www.moguravr.com/sie-patent-new-controllers/
メガネいらずのAR実現を目指すアメリカ企業が700万ドルを調達
レンズを必要としないグラスフリーなARの実現を目指すライトフィールドラボ社が、700万ドル(約7億5000万円)を調達したことが明らかとなりました。調達した資金はプロトタイプ製作のために利用されます。
ライトフィールドラボは、以前から3Dキャプチャシステムの研究を行ってきた米企業「Lytro」の元メンバーを中心に、2017年にカリフォルニアで創業されました。
今のところ、現実空間に3Dモデルを投影するためにはマイクロソフトのHoloLensやMagic Leapなどのように、眼鏡型デバイスを使用するスタイルが主流です。しかし同社は眼鏡なしでARを体験する、新しいディスプレイを開発する計画を発表しました。今回の資金調達で集めた資金で、そのプロトタイプを製作するとのことです。
VR専門メディアUploadVRが行ったインタビューでは、同社のCEOであるカラフィン氏が「『ナノ粒子技術』が鍵を握っている」と語りました。
本ニュースの詳細はこちら:
メガネなしでのARの実現を目指す米企業が700万ドル調達
http://www.moguravr.com/light-field-lab-raises-7-million-ar/
本記事はVR専門メディア「Mogura VR」から提供されているもので、国内外のVR関連情報をいち早く、正しく、分かりやすくお伝えします。
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