次世代Web構築ワークフロー 1

疲弊するWebサイト構築・運用の現状を考える

運用に疲弊する制作会社そしてクライアント「運用に困っている」「アクセス解析が分からない」そんな相談を、毎日のように受けるようになるたびに、やっとここまできたのかと感慨深いモノがあります。紙媒体の世界からこの世界に入ってきた筆者には、テンプレートの概念や分業の概念すらないWeb構築のやり方にひどく驚

生田 昌弘

2011年3月3日 20:00

運用に疲弊する制作会社そしてクライアント

「運用に困っている」「アクセス解析が分からない」そんな相談を、毎日のように受けるようになるたびに、やっとここまできたのかと感慨深いモノがあります。

紙媒体の世界からこの世界に入ってきた筆者には、テンプレートの概念や分業の概念すらないWeb構築のやり方にひどく驚いたのを、昨日のことのように思い出します。

言わんや、運用や成果について、議論するなど夢のまた夢でした。

15年以上の歳月が流れ、Webサイトが、ツールとして機能し始めたいまこそ、Webサイトを有効に機能させるために、どのように構築すればいいのかを考える必要があるのです。運用やアクセス解析の問題こそが、現状のWebサイト構築の問題を明確にするきっかけになるはずです。

本連載では、次世代Web構築フローと題し、全5回にわたって、これから先の10年に向けた、正しいWeb構築のあり方を解説していきたいと思います。まずは、現状のWeb構築を把握するところからはじめましょう。

テンプレート無しで週刊誌を作っていると想像してみてください。1ページずつレイアウト、デザインをして原稿を流し込む。これでは、週刊誌は成り立たないでしょう。

図1:同じコンテンツでも、ページ毎に表示される内容が変わる例(クリックで拡大)
Webサイトにおけるテンプレートは、Webサイト内で共通で使用される情報の表示形態が違うことで、紙媒体よりテンプレート作成の難易度が増している。

しかしWeb制作の世界では、ごく当たり前の工程かもしれません。数千ページ、万に近いページ数を保有するサイトですら同様の行程で制作されている場合もあります。これでは運用やアクセス解析に問題が生じるのは、火を見るより明らかです。

Webサイトが、まだ学生やオタクの遊び道具だった頃に考えられた「作り方」がそのまま受け継がれています。そもそも遊び道具に、運用もアクセス解析も関係ありません。Webサイトは、様々な用途で制作されます。

個人の有効なメディアとして利用する人も多くなりました。個人で制作する人ですらムーバブルタイプ等を利用して、更新の問題を解決しています。コンテンツの更新スピードや、コンテンツそのもの制作に注力できるので、企業が予算を投じて制作したWebサイトよりもおもしろかったり、ためになったりすることが多いのは、皮肉なことです。

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