予算入力や申請などの編成作業が簡単にできる「Budget Runner」とは
皆さん、こんにちは!クロスキャットの平井です。この連載では、どの企業でもやっているにもかかわらず、あまりIT化されていない「予算管理」という業務を、OSSを使って効率化する方法をお話します。
予算管理はどうして大変?
皆さんの会社の予算管理業務には、何を使ってますか?おそらくExcelを使って苦労されているのではないでしょうか?
多くの会社では、年度末になると、経営企画や経理といった部門の予算管理担当者から「来期の予算を入力してね」という依頼が来て、Excelシートに自部門の予算を入力して、返信するという作業を行っているのではないかと思います。
実は、この後が大変で、予算管理担当者は、いろいろな部門で入力されたExcelシートを集めて、一つ一つコピペしながら集計していきます。そうやって、集計された予算を精査して、「この部門は承認」とか「この部門はこの科目が多すぎるから却下」などを判断します。却下した部門には、もう1回Excelシートを送りなおして、修正させて、また集計しなおす・・・といった作業をしていきます。どうでしょう、気が遠くなりますよね。
そもそも、予算管理の業務は、大まかにわけると、(1)予算編成業務、(2)予実管理業務の二つになります。先ほどお話した、年度末に来期予算を入力して・・・、という作業は(1)の予算編成業務になります。
(2)の予実管理業務では、だいたい月に1回程度、予算データと実績データ(これは会計システムから取り出します)を突き合わせて、オーバーしている部署や科目がないかどうかをチェックします。この作業もExcelでやるとなるとけっこう大変です。もっとも、ちょっと進んだ会社では、予算と実績データをデータベースに入れて、BIツールでレポートを作る、という環境を構築しているはずです。
しかし、(1)の予算編成に関しては、そうはいきません。なぜなら、予算編成では予算データの入力が発生するため、BIツールでは対応できないからです。もちろん、世の中には予算入力ができる予算編成専用のアプリケーションパッケージは存在します。ですが、これらの商用製品は大企業向けに作られていて機能もたくさんあるかわりに、費用も高額になります。
予算管理のためのOSS「BudgetRunner」とは
そこで、今回ご紹介するのが「BudgetRunner」です。「BudgetRunner」はphp言語で書かれたOSSで、Sourceforge.jpに公開されています。「BudgetRunner」を使うと、予算編成作業が簡単に行えるようになります。次の画面イメージは「BudgetRunner」の予算入力画面の一部です。
こうやって入力された予算は、「申請」することができます。申請されたデータはデータベースに格納され、予算管理者に通知されます。予算管理者は、その申請を受けて「承認」、もしくは「却下」の操作を行うことができます。「却下」された場合は、申請者が再び予算入力画面を開いて、金額を訂正し、再度申請することになります。
この一連の動作は、全てWebブラウザ上で行われ、データは単一のデータベース内で管理されています。ですから、Excelを使って同じ作業を行うのに比べ、はるかに手間がかからず、間違いも起こらなくなります。
いかがですか?随分簡単にできそうですね。
BudgetRunnerの構成と導入
OSSとして公開された「BudgetRunner」は、予算編成機能だけですが、他のOSSを駆使することで、フルオープンソースで予算管理システムを構築することができます。下の図は、筆者の勤務するクロスキャットがSaasとして提供している予算管理サービス「CC-BudgetRunner」の構成図です。
このように、予算管理の中で一番複雑な予算編成機能を「BudgetRunner」でカバーすることができますので、システムを自社開発することがある程度できる会社であれば、自力で予算管理システムを構築できるようになりました。
また、自社開発が難しい会社であれば、クロスキャットがOSS「BudgerRunner」を利用した予算管理システム構築サービス(オンプレミス版CC-BudgetRunner)を提供していますので、ご検討ください。
今回は、「予算管理業務」と「BudgetRunner」の概要をお話しましたが、次回は「予算編成」に絞って、より詳しくお話させていただきます。
このコンテンツは、オープンソース総合情報サイト「OSSNews」が提供・監修しています。 「OSSNews」では、オープンソースに関する、最新情報、イベント情報やバージョン情報を掲載しています。 BudgetRunnerのライセンスや動作環境などのソフトウェア情報もご確認できます。
【参考リンク】
(リンク先最終アクセス:2013.10)