前回に引き続き、CentOS 7のネットワーク設定について取り上げます。新しい設定ツールの登場や、従来のCentOS 6まで慣れ親しんだネットワーク関連の基本的なコマンド群の使用が非推奨になるなど、様々な変更点があります。CentOS 7から一新されたネットワークの具体的な設定手順、Tips等をご紹介します。
CentOS 7におけるリンクアグリゲーション
複数のネットワークカードを束ねて一つのネットワーク通信の可用性や性能向上を図るリンクアグリゲーションを実現するteamドライバーがCentOS 7で実装されています。現在の多くのサーバーは、ネットワークポートを複数持っており、このネットワークポートを束ねることで障害が発生してもネットワーク通信を継続させることができます。NICがチーミングされたCentOS 7が稼働するx86サーバーとネットワークスイッチの典型的な構成例を下図に示します。
図5:サーバー側のeth0とeth2をスレーブインタフェースにし、仮想的なインタフェースteam0を構成している。eth0に障害が発生してもeth2が通信を引き継ぐ。この構成では、1台のスイッチ障害にも対応している
このチーミングの機能は、従来のbondingドライバーよりも高機能です。teamドライバーのほとんどの部分は、ユーザー空間で稼動する点がbondingドライバーと異なっています。以下では、このteamドライバーの設定を簡単にご紹介します。まず、team driverをインストールします。
複数のNICを束ねる仮想的なインタフェースteam0を作成します。
1 | # nmcli connection add type team con-name team0 ifname team0 config '{"runner": {"name": "roundrobin"}}' |
ここでは、teamドライバーによって作成される仮想的なNICのIPアドレスを172.16.70.99/16に設定するとします。
1 | # nmcli connection modify team0 ipv4.method manual ipv4.addresses "172.16.70.99/16 172.16.1.1" ipv4.dns 172.16.1.1 |
ネットワークインタフェースeth0とens7をインタフェースteam0のスレーブに設定します。
1 | # nmcli connection add type team-slave autoconnect no ifname eth0 master team0 |
2 | # nmcli connection add type team-slave autoconnect no ifname ens7 master team0 |
ネットワークサービスを再起動します。
1 | # systemctl restart network |
スレーブ化したens7インタフェースを自動起動するように設定します。
1 | # nmcli connection modify team-slave-ens7 connection.autoconnect yes |
teamドライバーによって2枚のNIC(eth0とens7)が束ねられ、仮想的なインタフェースteam0が作成され、IPアドレスが割り振られるはずです。仮想的なインタフェースteam0にIPアドレスが割り当てられ、外部と通信できるかを確認します。
02 | 1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN |
03 | link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00 |
04 | inet 127.0.0.1/8 scope host lo |
05 | valid_lft forever preferred_lft forever |
06 | inet6 ::1/128 scope host |
07 | valid_lft forever preferred_lft forever |
08 | 2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast master team0 state UP qlen 1000 |
09 | link/ether 52:54:00:fe:fe:7c brd ff:ff:ff:ff:ff:ff |
10 | 3: ens7: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast master team0 state UP qlen 1000 |
11 | link/ether 52:54:00:fe:fe:7c brd ff:ff:ff:ff:ff:ff |
12 | 5: docker0: <NO-CARRIER,BROADCAST,MULTICAST,UP> mtu 1500 qdisc noqueue state DOWN |
13 | link/ether 56:84:7a:fe:97:99 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff |
14 | inet 172.17.42.1/16 scope global docker0 |
15 | valid_lft forever preferred_lft forever |
16 | 11: team0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP←仮想的なインタフェース |
17 | link/ether 52:54:00:fe:fe:7c brd ff:ff:ff:ff:ff:ff |
18 | inet 172.16.70.99/16 brd 172.16.255.255 scope global team0 |
19 | valid_lft forever preferred_lft forever |
20 | inet6 fe80::5054:ff:fefe:fe7c/64 scope link tentative dadfailed |
21 | valid_lft forever preferred_lft forever |
25 | システム ens7 914777cb-cdcb-c90d-f590-a17dabc1db4e 802-3-ethernet ens7 |
26 | システム eth0 5fb06bd0-0bb0-7ffb-45f1-d6edd65f3e03 802-3-ethernet eth0 |
27 | team-slave-ens7 7359d2d6-2908-4f1d-ae55-3052ed84b032 802-3-ethernet -- |
28 | team-slave-eth0 daa0dedc-f44b-4374-9a82-d4d13f62c3b7 802-3-ethernet -- |
29 | team0 f62aaca3-a85f-49cf-9687-c94a34fc429c team team0 |
30 | docker0 07c54a57-7da0-44e3-921b-d95f21013248 bridge docker0 |
CentOS 7から、NetworkManagerのnmcliとnmtuiを使ってネットワークの設定を行い、ネットワークインタフェースは、NetworkManagerの制御下に置くことが強く推奨されています。NetworkManager配下で生成される設定ファイルを確認してみましょう。複数のNICを束ねる仮想的なインタフェースteam0のための設定ファイルifcfg-team0を確認します。
01 | # cat /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfgteam0 |
03 | TEAM_CONFIG="{\"runner\": {\"name\": \"roundrobin\"}}" |
13 | UUID=f62aaca3-a85f-49cf-9687-c94a34fc429c |
teamドライバーによって束ねられるスレーブインタフェースeth0とens7の設定ファイルも確認します。
01 | # cat /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-team-slave-eth0 |
14 | UUID=daa0dedc-f44b-4374-9a82-d4d13f62c3b7 |
20 | # cat /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-team-slave-ens7 |
31 | UUID=7359d2d6-2908-4f1d-ae55-3052ed84b032 |
チーミングされた仮想的なインタフェースteam0を構成する物理NICのインタフェースeth0とens7がラウンドロビンでパケットを処理し、スループットが出ているかの確認をするために、視覚的にしかも直感的に理解できるiptraf-ngというツールがあります。iptraf-ngは、OSが認識しているネットワークインタフェース全てについて、トラフィックの有無、パケットの通信の様子を確認することができます。コマンドライン上からiptraf-ngコマンドで起動し、テキストベースの分かりやすい画面インタフェースが特徴的です。
図6:iptraf-ngの画面の様子。チーミングされたインタフェースteam0とそれを構成する物理NICのeth0とens7のトラフィックがリアルタイムで表示されるため、チーミングの動作及び性能テストに有用である
CentOS 7及びRHEL7におけるteamドライバーに関する情報は、以下のURLに示すRed Hat Summit 2014のプレゼンテーション資料が参考になります。
[参考]New networking features & tools for Red Hat Enterprise Linux 7 beta