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仮想化環境の運用管理ポイント

2009年12月9日(水)
星野 敏彦

仮想化とIT運用管理の課題

従来は開発環境で利用されることの多かった仮想化ソフトは、コスト削減効果が見込めることから、現在では本番環境で導入する企業ユーザーが増えてきています。今後もこの傾向はますます強まり、その比重はさらに多くなるでしょう。

開発環境においては必須ではなかった運用管理も、物理と仮想のハイブリッド環境である本番環境では欠かせません。本番環境における運用管理には、主として次の5つの課題があります。

(1)まず、ビジネスへの影響の拡大です。仮想化により、サーバー上でより多くのアプリケーションが実行され、より多数のユーザーが利用することになるため、いったんサーバー障害が発生すると、ビジネスへの影響がより拡大することになります。

(2)次に、セキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性の問題があります。あるアプリケーションまたは仮想マシン(VM)への攻撃があった場合、同じサーバー上で稼働するほかのアプリケーションやVMに影響を与えるかも知れません。このため、VM、アプリケーション、管理インターフェースへのセキュリティ対策が重要です。

(3)また、仮想化ソフトによって、物理サーバーとサービス/ユーザー間に追加の層が生じるため、管理が複雑になります。つまり、さらなる情報の取得、設定、配備、更新および監視が必要になります。物理と仮想マシン間の動的な相関関係を理解していないと、問題発生時の切り分け作業が厄介です。

(4)さらに、仮想化ソフトによって、急激なビジネス需要でのリソース追加や負荷分散の際に、ほかの物理サーバー上に仮想マシンを再割り当てできますが、このために、新しい作業、追加の手順が必要になります。

(5)最後に、新ツールの登場という要素があります。仮想化ベンダーの提供するツールは、仮想化環境の管理に限定的であるため、ITのすべての構成要素までカバーしていません。

仮想化環境の運用管理ポイント

仮想環境の特徴である、複雑な構成や可視化しづらいこと、あるいは、ポリシーや標準化が徹底されないことによって、ITの運用そのものが高い管理コストに直面したり、ITのサービス・レベル上での予期せぬ問題に直面することが少なからずあるようです。

仮想化の真のメリットを実現するためには、物理と仮想のハイブリッド環境をシームレスに可視化し、統一されたITサービスとインフラの管理が行わなければなりません。エンド・ツー・エンドのITサービスを管理し、ビジネスと整合させるためには、仮想化技術に関する「ヒト」、「プロセス」、「テクノロジー」を統合したIT運用でなければなりません。

具体的には、次の4つの運用管理のアプローチをとるべきでしょう。

【可用性と性能管理】
まず、物理環境と仮想環境の双方のサービスの構成項目が可視化されなければなりません。例えば、ネットワーク・リンク、サーバー、ハイパーバイザ、仮想マシン、ストレージ、データベース、アプリケーションなどを検出して、稼働状況と容量利用率、性能などを定常的に収集、監視することが必要になります。

【自動化】
次に、仮想化ベンダーのツールと、インシデント、問題および変更管理などの既存の運用手順とを連携させる必要があります。変更検出、構成情報の更新、プロビジョニング、パッチ管理などの手順を自動化することによって、IT運用の信頼性と効率性が向上します。

【データ保護】
ビジネスの継続性を実現するためにも、仮想サーバーと物理サーバー上のアプリケーション・データの無停止バックアップなども検討するとよいでしょう。

【IT資産管理】
仮想化ソフトやVM上で稼働しているソフトが、購入ライセンス数と合致しているかどうかの現物確認をするために、IT資産管理も必要です。

次ページからは、4つのアプローチを深く掘り下げるとともに、それぞれの管理項目に対応した運用管理ソフトの例を紹介します。

日本ヒューレット・パッカード ビジネス・テクノロジ・ソリューションズ事業本部
国内システムインテグレータおよび外資系通信会社でエンジニア、マーケティングを経て、2001年日本ヒューレット・パッカード株式会社入社。2007年、米HPによるOpsware買収に伴い、データセンター自動化製品のマーケティング活動を担当。CISSP。
http://twitter.com/momotoshi/

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