WindowsとLinuxの選択
前回は大和屋さんからWindows Server 2008 R2の全貌をご紹介いただきました。これから9回に渡っては浅見にバトンタッチし、本連載のタイトルが「Windows / OSS徹底比較」となっているように、「Windows」と「Linuxを中心としたオープンソースソフトウェア」の違いについて紹介させていただきます。
皆さんはWindowsとLinux、どちらを使っているでしょうか?
メールを読んだりWebを見たり、ドキュメント作成や経費精算などの雑務、果てはプログラミングなどで直接触っているクライアントPCはWindowsという方が圧倒的に多いのではないでしょうか?。私もその中の一人で、今のメインクライアントはWindows Vista Ultimateです。(Windows 7に移行したい気持ちもありますが、お財布事情もありますし、私は世間の評判ほどWindows Vistaが嫌いではありません。起動スピードにちょっと難がありますが…)。
それでは、皆さんが業務で利用しているサーバーのOSは何でしょうか?
多くの会社では、Windows、Linux、UNIXなど、様々なOSを混在させているのではないでしょうか?
一例として、Web/メールサーバーはLinux、シングルサインオンとファイルサーバーはWindowsといったように、サーバーの種類に応じて使い分けていることが多いという印象を私は持っています。
私の場合は個人事業主で、自宅が事務所を兼ねるという極めて小規模な環境で仕事をしているのですが、WebサーバーにはLinux + ApacheとWindows + IISの両方を、ファイルサーバーにはLinux系のNASを利用しています。
では、こうしたさまざまな用途のサーバーで使うOSは、どのように決定しているでしょうか。
WindowsかLinuxかを選択する上で、ライセンス費用は最もわかりやすい重要なファクターの1つでしょう。
利用するアプリケーションが、特定のOSでしか動作しないということであれば、当然そのOSになります。
あるいは、すでに利用しているサーバーと同じOSを選択するというのは、大きな理由になります。今まで利用してきたことで得たノウハウを利用することができる、今までと同じことができるということが保証されているからです。
それから、過去のいくつかの重大なセキュリティインシデントは、皆さんの記憶の片隅からその決定に影響を与えているのではないでしょうか。
さまざまなWebサイトや書籍などから得ることのできる技術情報(とくにオフィシャルの情報)が豊富であれば、私たちを安心させてくれます。取り分け英語が苦手な私は、日本語の情報が豊富なものを選びたくなってしまいます。
コマンド操作が得意ではない方は、何でもGUIで簡単に操作ができるという理由でWindowsを選択するでしょう。
逆に、GUIでの操作性よりも、運用の手間を省くためにシェルスクリプトを利用して自動化することが重要な場合もあります。
もしかしたら、Windowsサーバーを構築・運用するよりも、UNIX/Linuxサーバーを構築・運用する方がcoolだという印象を持っているのかもしれません。
これらに限らず、利用できるアプリケーションや機能、信頼性・可用性・保守性・保全性・安全性・費用といったことが、判断の材料になるのではないでしょうか。
さまざまな条件や状況に応じて、選択すべきOSやアプリケーションは異なってきます。
本連載では対象をWindowsとLinuxに絞り、読者の皆さんが新たな環境を導入する際にOSを選択することの手助けになることを目指して次回以降の記事を書かせていただきます。