技術情報とサポート
新しい技術を習得したり既存の環境での課題を解決するためには、自分自身で技術情報を調査、研修サービスを受講、サポートへの問い合わせなどをすることになります。
このそれぞれについて、WindowsとLinuxではどのようなものが用意されているでしょうか?
今回は、インターネット上の情報を利用して、自分自身で技術情報を調査することを中心にお話しさせていただきます。
皆さんがインターネットから技術情報を得ようとすると、ベンダーやSIerによるWebサイト、Think ITのような技術情報ポータルサイト、特定のアプリケーションのコミュニティ、個人のブログやサイト、質問のできるフォーラムやメーリングリストなどを利用しているのではないでしょうか?
Windowsの技術情報は、当然ですがマイクロソフト社からかなりの量が提供されています。システム管理者向けの情報は「Microsoft TechNet」に集約されていています。ライブラリと共に、テクノロジや目的ごとに「TechCenter」というポータルがあり、必要な情報にたどりつきやすくなっています。(例 セキュリティTechCenter, Windows Server TechCenter, IIS TechCenterなど)
TechNetではサンプルスクリプトや、自習書シリーズなど、非常に役に立つ情報も公開されています。また、TechNetフォーラムというサイトでは製品利用者コミュニティに対して質問をすることもできます。
一般のユーザー向けにもセキュリティポータルが用意されていて、どんな対策をすべきかがまとめられています。
マイクロソフトのサイト構成の特徴は情報量がすごく多いことで、意外と知られていないのですが、情報検索を無償で代行してくれる「人力検索」のような便利なサービスもあります。
Linuxでは、Apache HTTPサーバーについてはhttp://httpd.apache.org/docs/を、MySQLについてはhttp://dev.mysql.com/doc/を参照するといったように、ほとんどの場合は利用するアプリケーションのオフィシャル情報を参照することになるでしょう。アプリケーションによっては日本語での情報が公開されていない、充分ではないといった場合もあります。個々のアプリケーションだけでなく、Linuxに関する情報が日本語でまとまっているサイトとしては「Linux JF Project」などがあります。
例えば、Linuxのセキュリティを一定のレベルにするという目的で調査をするとなると、オフィシャルコミュニティには体系化された情報が存在しないことが多いので、Think ITなどの技術情報ポータルを中心に、関連する情報を検索しながら集めることになるでしょう。
Linuxが難しいと言われている理由には、「ここを見ておけば大丈夫」と言えるほどの体系化されたサイトが存在せず、場合によっては『あっちを見たり、こっちを見たり』しなければいけないというのもあるかもしれません。
サポートについては、Windows ServerとRed Hat Enterprise Linuxの技術的な問い合わせや修正プログラムの提供に関する製品ライフサイクルを比較してみましょう。
Windows Serverのサポートは最短で10年間の提供が約束されています。最新のWindows Server 2008 R2は昨年リリースされているので、最短でも2019年までのサポートとなります。
Red Hat Enterprise Linuxのサポートは7年間の提供です。最新のRed Hat Enterprise Linux 5は2007年にリリースされているので、2014年までのサポートとなります。
このように安心を求める要素であるサポートに関してはWindowsとOSSでサポートの期間が異なるほか、サービスの提供方法も様々なのでよく比較してみる必要があるでしょう。
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