一元管理でプロジェクトを成功に導く
情報がどこにあるかわからない!
筆者が以前あるプロジェクトでお会いした、プロジェクトリーダーのAさん(40代前半、男性)は、メールを検索ツールだと考えている節がありました。
「あの原稿ってどこにあるの」「スケジュールどうなってたっけ」「あの人の連絡先教えて」「パスワード忘れちゃったんだけど……」
メールを受け取るのは検索エンジンではなく人間ですので、求められている情報を探しだしてメールを返信しなければなりません。そこには時間コストが発生します。Aさんもプロジェクトリーダーなのですから、当然それは意識していました。しかし、多数のプロジェクトを掛け持ちしているAさんは、あまりに忙しすぎて何がどこにあるか記憶しておくこともできず、整理する時間もありません。書類を探しながら「秘書がほしい」と時々つぶやいていました。
ここに登場したAさんは、特殊なタイプではありません。似たタイプの人を頭に思い浮かべた人も多いことでしょう。仕事ができ、人望もある、ただ忙しすぎて整理する時間がない。それがクライアントならなおさらです。プロジェクト慣れ、パソコン慣れしていないので、ファイル管理ができないのが当たり前と考えたほうが良いかもしれません。
Aさんの部下のBさんに視線を移してみましょう。Bさんはきちょうめんで整理上手。Aさんからの「あれどこだっけ」メールを受信して、すぐに自分の「マイドキュメント」を開き、社名、プロジェクト名などで整理されたフォルダにたどり着きました。パスワードなどの情報もテキストファイルに書き出して、きれいにまとめられています。
その素晴らしく情報が管理された「マイドキュメント」を、Bさんだけでなく誰でも使えたらどんなに良いでしょう。
Google Sitesで一元管理
情報を管理する方法は多種多様です。シンプルに、Bさんのフォルダを共有フォルダにするでも、専用のツールを使うでも良いでしょう。大切なのは、ルールを作ることと、それがシンプルであることです。
例えば、筆者も深く感銘を受けた書籍、「超」整理法(著者:野口 悠紀雄 中央公論社)では、すべての情報をひとつの場所にまとめ、時系列で並べていくことがルールです。難しいこと、覚えておかねばならないことはひとつもありません。「そこに行けばすべてがある」状態は、安心感があります。
しかし、プロジェクトは複数人数で行うため、時間をトリガーにする「超」整理法を使用するのは難しいので、その方法からエッセンスを抜き出しましょう。そこに行けばすべてがある状態、つまり情報が一元管理されている状態にし、シンプルなルールを徹底する。これをGoogle Sites(http://sites.google.com/)で実践していきます。
前回お伝えしたように、Google Sitesとは、複数人数で共同編集できるサイトを簡単に作れるサービスです。情報の一元管理に、なぜGoogle Sitesをおすすめするのか。それは、導入が容易であること、クライアントにも利用の敷居が低いことが何よりのポイントと言えます。
さて、Google Sitesで情報を管理するには、どのような構成で作るのが良いでしょうか。