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マーク・ザッカーバーグも抱えるみんなのIoT問題

2017年1月5日(木)
ReadWrite Japan

FacebookのCEO マーク・ザッカーバーグ氏は、2016年にアイアンマンに出てくるAIアシスタント「JARVIS」を再現するという取り組みを始めた。実際にはその際限というわけではないが、家で使うシンプルなAIの制作だ。昨年末、彼はFacebookで世界に向けてその進捗を更新した。

「2016年の成果でいうと、我々が携帯やコンピュータに話しかけることで、電灯や室温、家電、防犯システムなどをコントロールし、各人の好みやパターンを学習するシンプルなAIを開発した。新しい単語やコンセプトの学習も可能で、人をもてなすこともできるものだ。」

この取り組みを通じて、彼はAIの現状やホームオートメーション分野で開発者たちが抱えている課題について知ることができただろう。彼のAIプロジェクトは、言語処理や音声・表情認識など、さまざまなAIシステムを組み合わせたものだ。これらが1つのJARVISサーバにまとめられることで、家電などのホームシステムやSpotify、メッセンジャーボットなどのヒューマンインターフェイスシステムなどが一体になっている。

これをキッカケにして、彼はIoTでしばしば人が頭を悩ます問題に気づいた。

「ある意味で思っていたよりも簡単なチャレンジだった。2016年内に365マイル走破するなど、他に並行しておこなっているチャレンジには、これよりずっと時間がかかっているものもある。だが一方で、今回の取り組みの中にも思っていたより難しかったこともあった。それは、家にある多くの異なるシステム同士でいかにシンプルなコミュニケーションをさせるかである。」

彼が手がけたAIを構成するコンポーネントは、基本的にそれぞれまったく異なる言語を話す。たとえばそれをC-3POが翻訳し、コーヒーメーカーとガレージドアシステムとのコミュニケーションの橋渡しをする、などということもない。

この事実は、AIを使って何か役に立つものを作ろうとするザッカーバーグ氏にとって難解な課題となって現れた。

メッセンジャーをインターフェースに使う

彼が取り組んだもう一つの課題は、JARVISシステムと自然言語を使ってやりとりするためのユーザインターフェースの制作だった。彼は、友達と話すことと同じくらい楽なものを作ろうと考えた。これはつまり、インターフェースがあらゆるところに同時に存在しなければならないことを意味した。

Facebookメッセンジャーはそういったソリューションの1つである。APIを使い、彼はJARVISと携帯を使って誰とでもどこからでもコミュニケーションを取ることができた。また、この方法により音声・表情認識を伴うインターフェースも可能となった。

彼は、我々の考えていたものをAIはどの程度の近さにあるのかを次のように考察する。

「ある意味、AIは我々が考えていたものにより近く、それでいてより離れたものになっている。AIによる車の運転や病気の治療、星の発見、メディアの理解など、我々が想定していたものよりもずっと強大な能力の実現が近づいている。いずれ世界に大きな影響を与えることになるが、それでも我々は本当のインテリジェンスの存在を諦めてはいない。」

ザッカーバーグ氏のAIプロジェクトは興味深いものだ。彼の分析は、IoT市場で急速に持ち上がる多くの課題に光を与えてくれる。相互互換性は、異なるシステム同士が一緒に稼働するうえで重要なキーポイントとなる。そしてAIは、これからもテクノロジーの世界で長く議論され続けるであろう課題だ。

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RYAN MATTHEW PIERSON
[原文4]

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