連載 :
  ReadWrite Japan

2021年、倍増したIoTデバイスの脆弱性は世界を滅ぼすか

2017年1月30日(月)
ReadWrite Japan

向こう5年間、ハードウェアの価格が下がりIoTデバイスの急増を牽引するだろう。

Juniper Researchのレポートによると、IoTデバイスの数は2021年までに460億台、現在の倍にまでその数を増やすという。

接続されるアクチュエータやセンサーなどのデバイスは、ハードウェアの価格が下がるにつれ、加速度的に増えていく。Juniperのレポート「モノのインターネット: 2016ー2021年の消費者から工業、公共サービスについて」によれば、工業や公共サービス部門がここ5年でもっとも伸びるとされており、年間平均で24%以上の成長をみせるとのことだ。

だが、IoTテクノロジーの増殖は、新たな課題を生み出すと研究者たちは警告する。とりわけ厄介なのはエンドユーザおよびプロバイダでの大規模なIoTの導入である。

「プラットフォームの状況は見通しが明るいが、分析やデータベースシステムは、ほとんどの場合IoTがもたらすビッグデータ2.0の時代に適合するよう作られていない」と、レポートの著者Steffen Sorrellは言う。

Juniperの調査は、IoTの技術的統合が成功するまでに起こりうるさまざまな変化に焦点を置いたものだ。それらは時空間解析や、ルータなどの比較的非力なマシンでも実行できるインテリジェントなシステムである。

セキュリティ問題は大きくなり続ける

またJuniperは、IoT技術に対するセキュリティ上の脅威が拡大していることを述べた。

2016年はボットネットによる大規模なDDoS攻撃がおこなわれたという意味で目を引く年だった。だが中長期的にみると、IoTハッカーたちによる物理的な資産破壊や、個人/企業のデータ流出など新たな脅威も今後さらに問題となるだろう。IoTテクノロジーを安全なものにしたいと考える企業や業界によるセキュリティへの重点的な投資は進行中だ。

MarketResearchReports.bizが昨年春におこなった調査では、IoTセキュリティ市場の全体的な成長は、2017年にほぼ55%に達すると予測されている。

これにより、企業は不正なアクセスやデータの不正使用、ネットワークの破壊や停止、データレコードの破損という悪意のある攻撃から、IoTシステムを保護する機会が増えることになる。だがJuniperによれば、消費者向けIoTにおけるセキュリティへの投資は悲惨なほど不足しており、ハッカーなら間違いなく付け入るであろう脆弱性がいつまでも放置される可能性があることを懸念している。

関連記事:IoTセキュリティ問題はデバイスが「賢く」なれば解決するのか

消費者向けIoTデバイスたった一つの脆弱性が世界に及ぼす影響はどれほどだろうか。残念ながら、もうすでに数えきれない数の脆弱性を持つIoTデバイスが世に溢れているのが現状だ。

DONAL POWAR
[原文4]

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。
転載元はこちらをご覧ください。

連載バックナンバー

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています