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2017年IoTはどのように変わるのか

2017年3月27日(月)
ReadWrite Japan

例によって年の始めには、あと12ヶ月のうちにどのようなものが店頭に並ぶようになるのだろうと思いを巡らしてしまうものだ。こうした思いは、拡大を続けるモノのインターネットがビジネスモデルを変え、我々が住んでいる世界に革新的な製品やサービスを生み出すことが可能になった現在、特に強く感じられる。

今年もすでに数週間経ったわけだが、2017年の7大IoT予想を紹介したいと思う。

1. 4G IoTが中心的な規格になり、5Gへの期待も高まる

多くの携帯キャリアがこれまでの2G/3Gネットワークを終焉させるプランを発表している。4G LTEがIoTビジネス向け規格として他との差別化をはかるために発展してきたということは聞き覚えがあるだろう。そして我々は今、4Gの潜在力に目を向けなおそうとしているところだ。まったく新しい規格が出てくる代わりにようやく時機を得た5Gについて、思想的リーダーやアナリスト、リサーチ企業たちが、その将来的な役目やIoTにどのように適用されるかといった予想をしており、ますます注目を集めるだろう。

2. ナローバンドIoTの登場

IoTの別の大きなトレンドをみると、より少量のデータ通信を使って自動化と既存タスクのシンプル化を行うナローバンドIoT(NB-IoT)の普及が予測される。長距離通信を安価に実現できることから2017年は、公共事業や建物モニタリング、そして農業などへのNB-IoTの応用が一気に広まることだろう。

3. 成熟するeSIM — 通信キャリアの反応は?

IoTコネクティビティにおいては待ち望まれている”聖杯”といわれることもあるが、多くの人々は組み込みSIM(eSIM)による通信契約管理が年内に使えるものになることを予想している。eSIMを使うことでワイヤレスのIoTデバイスはあるネットワークから別のネットワークへの乗り換えを可能にし、通信のカバレージを最適化することでより高速で信頼性が高く、パワフルなIoTアプリケーションを実現することができる。テクノロジー自体は既にあるものだが、問題はこれを商業的にどう実現させるかという点であり、通信キャリア自身によるところが大きい。

オープンなインフラを促進し受け入れれば、通信キャリアはただの通信キャリアからモバイル利用を促す本物の案内役へとなるだろう。

4. IoT管理されたタブレット

タブレットはコンシューマ市場でここ数年、広く受け入れられてきた。だが、B2Bで使われるようになることで、タブレットはIoTによる”ビジョン”と”業務”の具体的な結び付きを提供するようになる。デスクに座らない小売や接客、出張サービス業にとって、IoTで管理されたタブレットはこれまでのPCと比べて様々な利点がある。物理的に軽く、一日中持ち歩くのに適したこのデバイスには、業務のためのユーザビリティと、ほぼあらゆるところからインターネットに繋げられる能力が備わっている。

5. 最重要課題となるIoTセキュリティ

有線、無線関わらず、インターネット接続はハッカーが付け入るためのIoTによる侵入口を無数に提供している。それらの多くは大惨事の要因になり得るものだ。こういった懸念が現実になろうとするなか、2017年にはコンシューマおよび商工業のIoTセキュリティのための呼び掛けと資金の投入がなされるべきである。IoTソリューションの提供者たちは脆弱性の対策に動いていることから、セキュリティのための開発や規定、そして市場に登場する商品についても動きがみられるようになるだろう。

6. IoTの整備統合

IoTが数えきれないほどの垂直市場で浸透していくことで、IoT全体の一部を求めて競い合う無線業者の数は増えるだろう。またサービス提供者たちが統合されていくのは避けられない流れであり、小さな業者はその分野でトップの大企業に吸収される考えられる。

7. “プラグ&プレイ” IoTの台頭

かなり新しいテクノロジー分野であることから、IoTベンダーのエコシステムは分断化しているものであり、その複雑性はIoTソリューションを展開しようとする者にとって問題となっていた。2017年にはIoTパートナーとサービス提供者たちが一丸となり、商品化までの時間を短縮し、専門技術やサポートを提供し、相互運用可能なコンポーネントが提供され、世界共通の無線ネットワークを通じてどこでもコネクティビティが得られるようになるだろう。

この記事はKOREとの協力により執筆された。

著者はKORE Wireless Group IncのCEOであり、ヨーロッパ、北米、アジアを含む世界中のネットワーク・通信業界で20年以上の経験を持つ。彼は無線、企業向けサービス、固定回線サービスにおいて豊かな見識があり、米国・カナダの数あるテクノロジー企業の諮問委員会にも席を置く。2015年にはIoTおよびM2Mの取引団体 IoT M2Mカウンシルの議長を一年勤めた。

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[原文4]

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