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VMwareのSDSであるVMware vSANの概要

2017年4月28日(金)
工藤 真臣
この連載ではVMware社のSDS、vSANによるハイパーコンバージドインフラが仮想化基盤にもたらす変化とそのメリットを紹介する。

VMware vSANとは?

本連載ではVMware社が提供するSoftware-Defined StorageであるvSANが、実際にどのような環境で利用することができるのか、またどのようなメリットをもたらすのかを紹介します。ぜひ最後までお付き合いください。

ハイパーコンバージドインフラとvSAN

昨今当たり前となったサーバ仮想化は、CPUやメモリなどのコンピューティングリソースを仮想化する技術です。VMware社のvSANはx86サーバに搭載されたSSDやHDDを利用して、vMotionやvSphere HAといった機能を利用するために必要な共有ストレージを構成するためのソフトウェア製品です。

サーバ仮想化をシンプルに構成するために、これまではx86サーバと共有ストレージを用いていました。一方ハイパーコンバージドインフラ(以下、HCI)では、ソフトウェアベースのストレージを採用しx86サーバ上で共有ストレージを実現することでサーバとストレージの統合を実現します。VMware社では、サーバとストレージの統合をESXiの一部としてvSANの機能を提供しています。vSANは2017年3月時点においてワールドワイドで7000社以上の実績を誇っています。

共有ストレージ型とハイパーコンバージドインフラの違い

共有ストレージ型とハイパーコンバージドインフラの違い

ハイパーコンバージドインフラはどんなメリットがあるのか?

数年前から使われてきた「ハイパーコンバージドインフラ」という言葉もプライベートクラウドやハイブリッドクラウト同様、最近では定義が曖昧になりつつあります。本連載では「x86サーバのローカルストレージを共有ストレージとして利用可能にするSoftware-Defined Storage機能を持っていること」と、「複数のx86サーバをクラスタ構成とし、スケールアウトが可能であること」の2点をHCIの定義とします。vSANで構成されるHCIは、これら2つの定義に加えて、Software-Defined StorageであるvSANがハイパーバイザーに統合されていることが特徴となります。

HCIの最初の定義である「x86サーバのローカルストレージを共有ストレージとして利用可能にするSoftware-Defined Storage機能を持っていること」は、どのようなメリットをもたらすのでしょうか?

1つ目は、x86サーバのハードウェアの進化による恩恵をすぐに享受できる点があります。特に最近のフラッシュストレージに関わる技術の進歩は、目覚ましいものがあります。NVMeのような新規格のインターフェースも、同じ価格で性能も容量も2倍になる新しい世代のSSDも、新技術はまずx86サーバで採用されます。

2つ目は、ハードウェアの選択の柔軟性があげられます。ハードウェアの運用管理を重視して、従来のx86サーバと同じベンダーで統一することもできますし、導入コストを重視して拡張のタイミングでベンダーを変えることもできます。

HCIのもう2つめの定義である「複数のx86サーバをクラスタ構成とし、スケールアウトが可能であること」は、どのようなメリットをもらすのでしょうか?

Software-Defined Storageの話をすると必ず受ける質問として、「専用ストレージと比較して信頼性は大丈夫なの?」というものがあります。従来の共有ストレージの課題として、デュアルコントローラのクラスタ構成があります。もちろんデュアルコントローラはActive-Activeで稼働するため2台が稼働している場合は問題ありませんが、1台で障害が発生した際にストレージ性能が半分になります。従来のHDDベースのストレージの場合、1台で十分なコントローラ性能があり問題になりませんでしたが、現在のストレージはフラッシュベースになっており従来とは比較にならないくらいのコントローラ性能が要求されます。そのため、1台のストレージコントローラで性能劣化を起こさないようにすることが非常に難しくなってきています。

一方HCIでは、サーバ1台ごとにストレージコントローラの機能が提供されます。そのためvSphereのサーバの設計では当然ともいえるN+1のサイジングに基づいた設計を、ストレージにも適用することができます。

ハイパーコンバージドインフラのN+1のストレージコントローラ構成

ハイパーコンバージドインフラのN+1のストレージコントローラ構成

それ以外にもHCI基盤では、容易にサーバ単位の増設が可能になっており、もちろん無停止での拡張や縮小が可能です。最初の導入時に、将来の拡張を見込んだストレージコントローラを購入する必要もなく、仮想基盤の更新時についてまわるデータ移行に悩むこともありません。

データ移行不要の仮想基盤の更新

データ移行不要の仮想基盤の更新

vSANのライセンスについて

ここまでは、vSANを使って構成可能なHCIのメリットについて紹介してきました。では第一回の最後として、vSANのライセンスについて紹介したいと思います。

2017年3月現在、vSANを利用するソフトウェアライセンスは大きくわけて3つあります。サーバ仮想基盤を利用する場合にvSphereに追加してvSANのライセンス(Standard / Advanced / Enterprise)を購入する方法、仮想デスクトップ基盤を利用する際にHorizon Advanced Edition以上を購入して付属するライセンスを利用する方法(vSAN Advanced Editionが付属)、そして一部のベンダーから提供されるハイパーコンバージドインフラのアプライアンスに付属するライセンスを利用する方法があります。

vSANライセンスのエディションによる機能の違い

vSANライセンスのエディションによる機能の違い

次回からは、今回取り上げたHCIのメリットを実現するためにvSANが実際にどのように動くのか、vSANのアーキテクチャについて掘り下げて解説をしていきます。

株式会社ネットワールド

株式会社ネットワールド所属。vExpert2012-2015,Pernix Prime。VCAP-CID、VCAP5-DCA、VCAP5-DCD、VCP-NVを所有。現在はOpenStackやVMware NSXなどクラウド基盤製品の立ち上げを担当。​

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