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VMware vSphere 6.0 ストレージ技術の新機能

2015年4月15日(水)
工藤 真臣

2011年 8月24日にリリースされたvSphere5.0から2012年9月10 日にvSphere5.1、2013年9月22 日にvSphere5.5と2回のアップデートを経て、2015年3月13日にvSphere 6.0がリリースされました。今回は、サーバ仮想化技術の業界標準ともいうべきVMware社のvSphere6.0のアップデート内容について紹介していきます。

1.vSphere 6.0のアップデート

vSphere6.0にはどのような新機能があるのか、そのすべてを紹介することはできませんが、注目されているいくつかの新機能についてみていきます。

1.vCenter Web Clientの強化

vSphere 5.5から利用が推奨されている、vSphere Web Clientの性能が改善されました。またC#版のvSphere Clientに備わっていた現在実行中のタスク一覧のビューも追加され、使いやすさも改善しています。vSphere5.5以降、vSphere6.0でも新機能のほとんどがvCenter Web Clientから のみ設定・実行することができます。

2.VMware vSphere vMotionの強化(Cross vSwitch vMotion / Cross vCenter vMotion / Long Distance vMotion)

 vMotion実行時に仮想マシンが接続する仮想スイッチを変更できるようになりました。さらに、以前から要望の強かった複数のvCenter Serverを跨いだvMotionの実行が、新機能として追加されました。今後の仮想基盤のシステム更新では、オンラインで移行するのが当たり前になる日も近いかもしれません。またvSphere 5.5以前は、最大10msの遅延だったLong Distance vMotionのシステム要件も、最大100msの遅延までサポートが拡大されました。高価な専用線で接続することなく、vMotionを行う、といったことも現実のものとなってきました。

3.vSphere Fault Toleranceの強化

vSphere 4.0で追加されたvSphere Fault Toleranceの機能も、アーキテクチャの刷新により、最大4vCPUの仮想マシンでの利用がサポートされました。さらに、vSphere FT利用時の運用の悩みだったバックアップ取得時の仮想マシンのスナップショットの取得がサポートされたことにより、vSphere FTの対象仮想マシンを通常の仮想マシン同様、vStorage API for Data Protection(VADP)を使ってバックアップの取得を行うことができます。

vSphere Fault Toleranceの機能の違い

vSphere 5.5vSphere 6.0
仮想マシンの最大vCPU数14
オンラインFT設定不可可能
仮想マシンのバックアップエージェント経由VADP経由
FT用ネットワーク1Gbps10Gbps

4.vSphere Data Protection(VDP)の製品の統合

vSphere 5.5以前では、バックアップ用の仮想アプライアンスとして、vSphere Essentials Kit以外のライセンスに付属するvSphere Data Protection(VDP)と別途アドオンで購入する必要がある、vSphere Data Protection Advanced(VDPA)の2つの製品を持っていました。

これらの仮想アプライアンスのうち、VDPAが製品として廃止され、vSphere 6.0ではVDPに統合されました。今までVDPAでしか利用できなかったVDP仮想アプライアンス間のレプリケーションやEMC社のData Domainストレージとの連携、Microsoft Exchange Server、Microsoft SQL Server、Microsoft SharePoint Serverといったアプリケーションエージェントとの連携を、vSphere Essentials Kit以外のすべてのvSphereのライセンスで利用することができます。

VDPの機能の違い

VDP 5.5VDPA 5.5VDP 6.0
可変長の重複排除
CBTによるバックアップ・リストア
ファイル単位のリストア
EMC Avamarへのレプリケーション
Exchange,SQL,SharePointエージェント
他のVDPへのレプリケーション
EMC DataDomainとの連携

5.VMware Integrated OpenStack(VIO)のリリース

OpenStackの商用製品として、既にRedHat社やHP社、SuSE社、Canonical社、Mirantis社などから提供されています。今回VMware社からVMware Integrated OpenStackとして、新たにOpenStackの商用製品が提供されます。しかも、vSphereのEnterprise Plusエディション以上のライセンスを所持していれば、無償で利用することができます。ただし、サポートを受けるには別途サブスクリプションを購入する必要があるため注意が必要です。

VMware Integrated OpenStackは、OpenStackのアプリケーションとしての提供ではなく、商用環境で利用可能なOpenStackのコンポーネントが分散・冗長構成で、すぐ利用可能な状態で展開可能なアプライアンスのような形で構築が可能といった特徴があります。

VMware Integrated OpenStackとVMware製品の連携

VMware Integrated OpenStackとVMware製品の連携(クリックで拡大)

2.vSphere 6.0のストレージ技術の更新

本連載ではvSphere6.0で強化されたストレージ関連のアップデート情報についてフォーカスして紹介をしていきます。

VMware Virtual SANの強化

vSphere 5.5 Update1から提供されていたVMware Virtual SAN 5.5がVMware Virtual SAN 6.0にバージョンアップし、以下のようなアーキテクチャの刷新による性能の向上と運用管理性の強化が図られています。これらの機能追加により、Mware Virtual SAN 5.5で推奨されていた仮想デスクトップや開発環境の他にも、Tier1アプリケーションを動作させる基盤としても利用できる性能と可用性を実現しています。

性能の向上

  • 1ホストあたりの性能の向上
  • VMware Virtual SAN専用のスナップショット機能の追加
  • オールフラッシュ構成のサポート

運用管理性の強化

  • HDD単位のメンテナンスモードのサポート
  • vCenter Web Clientからオブジェクトのコピー状況の確認をサポート
  • データ配置のリバランス機能の追加

vSphere Virtual Volumes(VVOL)の追加

VMware社が進めるSoftware Defined Storageのコントロールプレーンとしている、Storage Profile Based Management(SPBM)のアーキテクチャとサードパーティ製外部ストレージを連携させるために、vSphere Virtual Volumes(VVOL)がvSphere 6.0で機能追加されました。VMware Virtual SANと同様に、仮想マシンストレージプロファイル機能からポリシーベースの管理を実現できます。すでに、Storage Profile Based Management(SPBM)は、vCloud DirectorやOpenStack、vRealize Automationといった製品で対応済みになっており、vSphere Virtual Volumesはこれらの製品と組み合わせることで、すぐに利用することができます。

VMware vSphere Replicationの強化

vSphereの標準機能で災害対策を実現するVMware vSphere Replicationは、最近のアップデートでパブリッククラウドサービスであるVMware vCloud Air Disaster Recoveryとの連携も進んでおりvSphere6.0で以下のような機能強化が図られています。

  • レプリケーショントラフィックの圧縮機能の追加
  • 独立したレプリケーショントラフィック用のネットワークの作成をサポート
  • LinuxゲストOS利用時のデータ整合性の向上

次回からは、ここで紹介した「VMware Virtual SAN 6.0」、「VMware vSphere Virtual Volumes」、「VMware vSphere Replication 6.0」について掘り下げて解説をしていきます。

株式会社ネットワールド

株式会社ネットワールド所属。vExpert2012-2015,Pernix Prime。VCAP-CID、VCAP5-DCA、VCAP5-DCD、VCP-NVを所有。現在はOpenStackやVMware NSXなどクラウド基盤製品の立ち上げを担当。​

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