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“磁気浮揚“を利用した落合陽一氏の浮揚実験動画が公開

2017年6月17日(土)
ReadWrite Japan

TDK株式会社は、2017年6月7日に新プロジェクト「TDK Attracting Tomorrow Lab」を発表した。その活動の一環として、メディアアーティストで筑波大学助教でもある落合陽一氏とコラボレーションした浮揚実験動画「浮かせてみた」をWeb上にて公開している。

動画では磁力の力によって物体を空中浮遊させる“磁気浮揚”の技術が用いられ、落合陽一氏は、マグリッドの描く絵のような磁場が見せる不思議な世界を表現できたとコメント。

物体の空中操作は、音響や磁気、電気、超伝導浮上などで使われており、特にマジックショーや科学的なデモにおいて活躍している。これらの浮遊法における設計空間を増やすことや制御性を向上させることは、構造計算や人間計算機インタフェース(HCl)で研究されている。

今回は、磁気浮揚の中でも“超電導浮上”に焦点を当てている。接地面から直立させる物体は摩擦と重心で解ける一方で、今回の浮揚ファブリケーション技術は、支えがないため複雑な形状のものを浮上させることは容易ではない。磁場制御と磁場への反発力として解くことがスタンダートであり、本動画では複数の磁力球や円盤型磁石をコンピュータ制御の電磁石の上に配置し、バランスを取っている。

バランスをとるためには、ほとんどの場合、液体窒素を使用して低温にし、超電導物質の状態を維持する。現在、超電導物質は、温度限界があるため、浮揚時間にも限界がある。しかし、10分の浮揚時間では、3D操作のデモを見せるといったような、多くのHClを使用するには十分である。3Dプリンタでつくった物体の浮揚や超伝導浮上法に関する分野は、今後も研究が進み、様々な課題を解決していくであろう。

落合陽一氏は、以下のようにコメントをしている。

「磁気浮揚は古典的な浮揚実験の一つであるが、複雑な形状のものを浮揚させるのは容易ではない。空中にあるものをバランスすることや、その制御の時空間への拡張,空中物のデジタルファブリケーションなど多くの要素技術が必要となってくる。」と続け、「波動現象やポテンシャル分布の制御とデジタルファブリケーション技術を融合は我々の研究や作品のテーマに大きな意味を持つことになるはずだ。」

公開された動画はタマゴ篇・りんご篇・ケーキ篇の3つであり、それぞれTDK株式会社「TDK Attracting Tomorrow Lab」特設ページ(http://attractingtomorrow.tdk.co.jp/jp/lab1/)にて視聴可能。

ReadWrite[日本版]編集部
[原文4]

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。
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