会話認識技術はルネッサンスを迎えているのか?(2)
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セールスコミュニケーションがテクノロジーを牽引するか?
屋内販売の売上が伸びる中、セールスコミュニケーションが活発でイノベーティブな分野になってきている。電話による営業のやり取りが増加する中、営業部の責任者はそこで何が話されているのか分からなくなることに懸念を抱いている。
Chorus.aiはこうしたセールスコミュニケーション分野の先駆者だ。効率のいい会話ができているかを判断するための幅広い指数を提供し実際の結果と関連付ける計測を行うためのソフトウェアスタックを組み上げ、セールスプロセスの要素を最終的な結果に結びつける。これにはセールス会話用にチューニングされた自社開発の会話認識技術が用いられている。同社のノウハウは3つのステップに込められている。まずすべての会話を録音し、そこから数日ほどで知見を見出す。こうした知見からどれがパフォーマンスを出しているかを追跡し情報が得られ、リアルタイムでのモニタリングや、会話を行うほかのものに対するフィードバックに用いられる。
Gong.ioは急成長を遂げたセールスチーム作りを経験した、同社の設立者の一人から生まれた。不正確で未発達で上辺だけのツールによるパフォーマンス判断に対して不満を抱いていた。既存のツールを調べてみると、あまりにも複雑で、二人以上の話者を含む台本のない長いおしゃべりであるB2Bセールスには不適切であることが分かった。トピックを明らかにしパフォーマンスのパターンを認識することで、Gong.ioは会話インテリジェンスに注力した。2015年8月と設立間もないが、Gong.ioは記録的な早さで初めてのソリューションを作り上げた。
ここ数年と最近のことではあるが、こうしたセールステクノロジー分野はかなりダイナミックになっており、コーチングのほか、幅広い予想や顧客の知見を得るためのパフォーマンス管理などの範疇に収まらなくなってきている。セールステクノロジーは顧客からの意見(VoC)にまつわるさまざまな問題を解決する重要な要素になろうとしている。
屋内販売、顧客対話管理、インテリジェントアシスタントやBotといった3つの市場において、VB Profileから30以上のプレイヤーを見つけ出した。
AIは会話技術業界に変化をもたらしている。また限られたユースケースでは音声認識技術は非常に正確なものだ。使い勝手はまだ完璧とは言えず、NLPやNLUの実装もまだ実現していない。しかし会話技術は既に新しいアプリケーションや市場の創造を促すには十分なほどに成熟した。更に多くのスタートアップ企業やイノベーターが乗り込んでくることだろう。
NICOLAS DE KOUCHKOVSKY
[原文4]
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