結合テスト仕様書兼報告書のテンプレート

2008年11月23日(日)
山口 智也

マスタ設定で結合テストの精度は決まる

 システムではマスタ設定内容によって切り替わる機能が多く、その設定で業務の流れも変わります。したがって、結合テストにおいては、シナリオ内のテストケース洗い出す際、顧客がどのようなマスタ設定をするかを事前に知っておくべきでしょう。事前に知っておくことで、精度の高いテストケースを作成することができます。

 その結果として、結合テストでは通ったが、顧客環境では動かないといったトラブルを回避することができるのです。また、実運用に関係ない余計なテストケースを作成することもなくなるため、テスト工数を削減することが可能です。

 例えば、ERPパッケージをカスタマイズする場合、パッケージ上は支払方法に振込、手形、引落、相殺が選択できたとしても、将来的にも相殺を使用する予定はないのであれば、顧客同意の上、相殺のテストを仕様書から除いたほうがよいでしょう。また、ある支社では手形は使用しないのであれば、部門ごとのテストからこれを外すのも同様です。

 さて、では本番環境に近い状態で結合テストをするにはどうしたらよいでしょうか?通常、システムを稼働させるには、開発作業に加えてデータ移行やマスタ設定といった導入作業がありますが、開発のボリュームが大きいと後手に回りがちです。

 しかし、上記のような理由から、結合テスト仕様書作成時までには、データ移行やマスタ設定の工程を大まかには終了するようスケジュールを組み、実施しましょう。これがプロジェクトを成功させる上での大きなポイントとなります。

 ただし、顧客が設定したデータを社内テストデータとして使用する際は、当然ですが所定の手続きを踏むこと、個人情報はマスキングすることを徹底しましょう。

株式会社システムインテグレータ
国産WebERPパッケージ「GRANDIT」の開発に参画。ファーストバージョンリリース後、経験を生かして多数のERP導入プロジェクトを担当。カスタマイズ開発案件のプロジェクトマネジメントやERP導入コンサルとして活躍中。生の顧客要望を製品に反映する改善活動にも尽力している。http://www.sint.co.jp/

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