モバイル動画をもっと活用する

2008年11月25日(火)
池辺 政人

QRコードと異種媒体との組み合わせ

 携帯サイトやコンテンツはQRコードを利用してアクセスできるという利点をいかして、どんなことができるか考えてみましょう。

 このQRコードという2次元コードはどんな媒体にも挿入することができるのが特徴です。特に紙媒体との相性が良く、多くの場所でこのQRコードを目にします。

 多くのユーザに認知され広く普及しているQRコードですが、携帯動画にダイレクトにアクセスできるツールとしてはとても有効であることも確かです。たとえQRコード自体は目新しくなくても、新しいものに見える様な工夫を凝らして見た人にインパクトを与えられれば確実にユーザーを誘導するツールになるのです。

 では、紙媒体と組み合わせた利用例として、「年賀ハガキで動画による新年のごあいさつ」を紹介します。

 これだけメールが一般化しても決してなくならないのが日本古来の伝統である、新年のあいさつツール「年賀状」は、ほとんどの企業でも継承されていると思います。そんな年賀状に、QRコードから携帯動画で代表が登場し、生の声で伝える新年のあいさつを盛り込んでみてはいかがでしょうか。

 ちなみにQR自体に特に工夫は凝らさなくても、年賀状が届いた人は、おつきあいのある社長さんのどんな動画が見られるのか興味がわくようで、配った枚数だけ配信回数が取れたという実績があります。

 同様に、お友達などに送る年賀ハガキにはビデオレターのような使い方で、子供の成長した様子を動画で送ってあげるのも良いと思います。

携帯動画の有効な活用例

 次に、現在サービスされている携帯動画の非常に上手な活用例を2つ紹介します。

 1つ目は、「波伝説(http://www.namidensetsu.com/)」という11万人の会員数を誇るサーファーのマストアイテム的な波情報の携帯サイトで、全国の人気のあるポイントの数十カ所を定点カメラと携帯カメラで撮影した動画を毎日配信しています。

 このサービスは非常に評判が高く、特に昨今の高性能携帯カメラで撮影された動画は高画質で、撮影者の映像と声による波のコンディションの解説も付いていて、動画を見ただけで
そのポイントのコンディションを知ることができるため、多くのユーザーから好評を得ています。

 まさにその日、その時のリアルな情報をタイムリーに配信するツールとして携帯動画を最大限活用している素晴らしい例だと筆者は思います。先に述べた動画の特徴である被写体が移動できるという意味でも、実際に波に乗っているサーファーを追いかけながらの撮影は、誰もが必ず見たい(必要)と思う情報です。

 2つ目は、ライブ映像道路情報「Watcha(http://m-tv.jp/person/watcha/index.html)」で、東京・大阪・名古屋の高速道路や、幹線道路の混雑状況をライブ動画で配信する交通情報サイトです。北海道から沖縄まで全国計86カ所の渋滞頻発地点のライブ映像を見ることができます。

 3キャリアに対応しているのですが、中でもauのWIN端末ではリアルタイムでライブストリーミング配信しているという優れものです。

 タクシーやトラック等、高速道路を頻繁に利用される方には渋滞状況をライブで見られるサービスというのは重宝される思います。きっとベテランドライバーさんだと、あるポイントの渋滞状況を動画で見て「ここでこのくらいの速度で走っていたら渋滞が緩和するのももう少しだな」なんて判断できるのかもしれません。

株式会社Xenomedia blend
代表取締役/ビデオディレクター。独学で映像制作の技術を学び、スノーボード、サーフィンのビデオ制作を経て2007年4月にインターネットに特化した映像制作会社を設立。現在はコンテンツ制作をメインにモバイルプロモーションの企画や PC・携帯の動画配信のインフラを提供する。http://www.xenomedia-blend.com/

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