データをDynamoDBへ保存&mockmockによるIoTシステムのテスト方法
mockmockを利用して
クラウドアプリケーションをテストする
ここまでの手順で「人を検知したときにSlackへ通知するIoTシステム」は完成です。しかし、システムを運用するにあたり、一定の品質を担保するためのテストが必要です。
ユニットテスト
このシステムはデバイスがArduino言語(C/C++ベース)、クラウドのLambdaがRubyで実装されています。
デバイス上のソフトウェアのユニットテストは、実行環境やライブラリをシミュレートするといった工夫が必要となるものの、不可能ではないでしょう。
Rubyのソースコードはユニットテストフレームワークも多数あるので、それらを使えば容易にユニットテストが可能です。
本記事ではユニットテストの詳細については割愛します。
結合テスト
今回開発したシステムはそこまで大きなシステムではないため、デバイス・クラウドアプリケーションのそれぞれを結合してテストします。
多くの場合、ここで2つの問題が生じます。
- デバイスのテストで「データを送信できたこと」を確認する必要があるが、送信先のサーバがない。
- クラウドのテストで「データを受信したときにSlack通知すること/DynamoDBにデータを格納すること」を確認する必要があるが、データを送信するデバイスがない。
つまり、デバイス・クラウドの双方が鶏と卵のような関係になっています。
この関係を打開するため、mockmockを使います。
mockmockを使ったクラウドアプリケーションの結合テスト
mockmockはデバイスの代わりとなるmock(仮想デバイス)を用意して、デバイスの代わりにクラウドアプリケーションへデータを送信するサービスです。これにより、デバイスの開発完了を待たずしてクラウドアプリケーションの結合テストを簡単に開始できます。
なお、mockmockはmock1台までは無料で使えるので、読者の皆様もぜひお試しください。
●IoT開発を加速する仮想デバイス作成サービス | mockmock
プロジェクトの作成
mockmockにログインし、まず最初に作成するのが「プロジェクト」です。
プロジェクト新規作成へ移動し、以下の通り入力します。
項目名 | 入力値 |
---|---|
プロジェクト名 | check_point |
サーバータイプ | AWS IoT Core |
キャパシティ | cn1 |
プロトコル | MQTT |
送信先ホスト | IoT Coreの設定画面に表示されているエンドポイント |
証明書ファイル | IoT Coreで発行した証明書ファイル |
秘密鍵ファイル | IoT Coreで発行した秘密鍵ファイル |
Root証明書ファイル | こちらのページで取得したRoot証明書ファイル |
SSL/TLS | TLSv1.2 |
入力が完了したら、「登録」をクリックしてください。
バリュージェネレーターの作成
次に、mockmockから送信するデータを定義します。mockmockでは「グラフ」「バケット」「位置」の3種類のバリュージェネレーターを利用できます。
今回は、人感センサーの仕様に合わせ、値を1または0を切り替えるためバケットバリュージェネレーターを利用します。
サイドメニューの「バケット」の新規作成をクリックし、パケットバリュージェネレーター新規作成へアクセスし、以下の通り入力します。
項目名 | 入力値 |
---|---|
バケットバリュージェネレーター名 | pir |
送信ルール | ランダム |
データリスト | 0を9行、1を1行 |
10個のデータのうち、1つだけが1、残りは0となっています。これをランダムに選択して送信するため、10%の確率で1を送信します。
入力が完了したら、「登録」をクリックしてください。
データテンプレートの作成
続いて、データテンプレートを作成します。
サイドメニューの「テンプレート」の新規作成をクリックし、データテンプレート新規作成へアクセスして、以下の通り入力します。
項目名 | 入力値 |
---|---|
テンプレート名 | check_point |
元になるjson | { "detected": 1 } |
入力したら「登録」をクリックしてください。
次に表示された画面で「detected」の行をクリックし、モーダル上に以下の通り入力します。
項目名 | 入力値 |
---|---|
型 | integer |
生成タイプ | bucket |
ジェネレーター名 | pir |
バケット | 値 |
最終的にデータテンプレートはこのような構造となります。
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