CEBPで何がつながる?
アバイア社内でも効果を発揮
CEBPソリューションを利用して社内プロセスを改善した事例を紹介する。
今、企業では、多くのITシステムが複雑に連携して日々の業務を支援しているために、1つのサブシステムの障害発生が他のシステムに影響を 及ぼし、企業全体の業務を停止させる危険を孕んでいる。例えば運輸業のお客様では、予約システムに障害が起きると、運送管理のシステムにデータが送られ ず、業務が止まってしまう可能性がある。
現在の巨大化した情報システムでは、システムを止めないための運用・管理に加えて、障害が発生した場合いかに迅速・適切に障害の回復処理を実行するかが重要である。
システムの運用・管理をサポートするためのベストプラクティスを集めたITIL(Information Technology Infrustructure Liblary)という言葉をご存知の方も多いだろう。ITILとはITサービスマネジメントのベ ストプラクティスを集めたフレームワークで、1980年代後半に英国の政府機関がIT運用における実際の知識・ノウハウをまとめそれを文書化したものだ。 ITILは欧米では業界のデファクトスタンダードとなっており、最近は日本でも多くの企業で採用が進んでいる。
アバイアでも、受発注、開発、製造、購買、バックオフィスなど、たくさんのITシステムが稼動している。以前のアバイアでは、ITILのフレームワークを使って、システムの問題管理、変更管理、構成管理、運用管理を行っていた。
しかし業務全体を停止してしまうような重大問題を処理するための「エマージェンシー変更管理」の業務プロセスに時間がかかり、業務に支障を きたすという問題があった。この問題を改善するためにCEBPのソリューションを適用し、2007年11月からは、迅速な問題解決を実現するためのシステ ムを稼動させた。
業務プロセスを劇的に短縮
このシステムを導入することによって、変更要求者と承認者が適切なコミュニケーション手段で直接交渉することが可能になり、業務プロセスを最小10分に短縮することが可能になったのである。
以前のシステムを使ったプロセスでは、エマージェンシー変更依頼は関連する部署にメールで送られていた。メールを受けた担当者は、変更要求 をだした技術者を見つけ出し、問題の重要度を確認し、場合によっては電話会議をリクエストして関連する部署の人と議論をするなどの判断を自ら下しプロセス を進めていた。
一方この新しいシステムでは、図2に示すように、アバイアの基幹システムで使われているSAPのアプリケーションとITILをサポートする Service Deskのアプリケーションから、Web Serviceの仕組みを使ってイベントをコミュニケーションプロセスマネージャ(CPM)に報告する。
CPMではイベントごとにあらかじめ決められたルールに基づいて、承認者あるいは関連部門の責任者に、必要な情報を最適なメディア(メール、SMS、メール・SMSからの返事がない場合には、電話、携帯、電話会議)を使って自動的に連絡することを可能にした。
アバイアでは100を超えるユースケースを作成し、お客様にご提案をしている。米国、ヨーロッパでは、これらのケースをベースにした複数の POC(Proof Of Concept)のためのプロジェクトが進んでいる。また複数のお客様で、実際にお客様の業務プロセスを改善するためにアバイアのCEBPソリューション を使ったシステムを構築中だ。
最後にCEBPソリューションの構成要素を具体的に紹介していこう。