CEBPで何がつながる?
ボトルネックは人だった
Think ITの2008年3月の特集「ネットワーク教習所」 の金曜日は、企業システムネットワークに導入することで効果のある機器やサービスをさまざまな視点から取り上げる。今回は、日本アバイアの提供する CEBP(Communication Enabled Business Process)ソリューションを取り上げ、つないでガッテンする。CEBPとは一体どういうソリューションなのか。企業が抱えている課題を明確にしつつ その効果を紹介しよう。
最近はさまざまな企業で多くの業務処理がIT化されており、さらに効率的な業務処理を実現するために複数の業務アプリケーションが連動するようにシステム化されている。
例えばオフィスでは、出張命令書の作成、承認、出張旅費の精算や、製品購入のための要求、その承認などがすでにWebやグループウェアのア プリケーションを使ってIT化されている。工場では、部材の調達、在庫管理、品質管理、商品の発送依頼などもIT化されて非常に効率の良い生産システムが 作られている。
ところが、ビジネスプロセスが自動化されればされるほど、人間系で処理をしている一部のプロセスの遅延が業務プロセス全体の遅延を起こすと いう問題が生じてきていることは、読者の皆さんもお気づきだろう。社内の稟議プロセスの遅延など身近なところで思い当たる方も多いのではないだろうか。
アバイアのCEBPソリューションは、業務プロセスの一部に人が介在することによって生じる処理の遅延や不確実性に着目して、アバイアの得 意とするリアルタイムコミュニケーションの技術(IP電話、メール、ショートメッセージ、IVR、Text-to-Speech、電話会議システムなど) を使って業務処理の改善を目指すものだ。
関連するすべての人が対象
この場合の「人」とは、業務プロセスに関連する社員、管理者、経営陣、パートナー様、お客様などすべてのステークホルダを対象にしている。社内の決済や申請書のような単純な業務処理であれば、社員と管理者だけでプロセスを完結することができる。
また複数の関係者が対象になるシステムもある。例えば、製造業向けQAシステムである。QAシステムでは、お客様が何か質問やクレームを登 録すると、まず責任者に関連情報がわたる。責任者はそれを受け、該当する各部門の責任者(技術管理者、品質管理者、部品供給パートナーなど)にエスカレー ションする。緊急度合によっては、経営者、IRの責任者、広報の責任者にも必要な情報をリアルタイムに送り、その意思決定を支援する必要がある。
CEBPでは、人が介在することによって生じる遅延、決められたプロセスの実行を妨げる要因を極力なくす、あるいは軽減することを目指す。 それを実現するために電話、ショートメッセージ(SMS)、eメールなどのリアルタイムコミュニケーションの仕組みを現行の業務プロセスに応用しシステム 化する。
次ページでは、具体的な事例をもとにCEBPをさらに詳しくみてみよう。