企業成長の基盤 - Oracle E-Business Suite & JD Edwards EnterpriseOne
はじめに
当社では、中堅企業向けの「Oracle Applications」製品として「Oracle E-Business Suite」と「JD Edwards EnterpriseOne」をラインナップしています。今回は、それぞれの製品の特長とソリューション・オファリングに関して解説します。
今、アプリケーションパッケージに求められていること - Oracle Applications製品のコンセプト
中堅企業や大手企業に関わらずその取り巻く経営環境は、会計ビックバンにはじまり現在ではコンプライアンス(内部統制)、企業買収、個人情報保護など大きく変化しています。グローバリゼーションの進行に伴い、ビジネス・スピードも「ドッグ・イヤー」と呼ばれるほど技術革新が行われ、ビジネスモデルも変化していきます。
また、2007年問題というメインフレームにおける基幹システムの開発・保守技術者の中心だった「団塊の世代」のリタイヤがはじまります。そしてテクノロジー基盤においては、「SOA」というキーワードが雑誌などでにぎわっています。
こうした中で、企業のビジネス基盤ともいえるアプリケーションパッケージには、何が求められているのでしょうか。本連載では代表的なキーワード「内部統制(日本版SOX法)」「2007年問題」と「SOA」から紐解いていきたいと思います。
1つ1つを細かく紐解くことはできませんが、簡単にいえば内部統制においてアプリケーションに求められているものは、「あってはならないこと(不正および誤謬)を防ぐことです。
そして2007年問題では、これまでメインフレームで開発していた技術の継承をアプリケーションパッケージに置き換えることでそのリスクを排除することです。これはまた、業務システムのビジネスロジックを汎用化されたアプリケーションパッケージに置き換えることで、COBIT(IT Control Objectives For SOX)への対応が容易になります。
最後のSOAに関してはBPELやBAMの技術要素に目がいきがちですが、一番重要なものは「業務プロセスの定義」です。これらのキーワードをまとめたのが図1です。
図1らの要素からアプリケーションパッケージのコンセプトは、「業務プロセスの標準化と可視化」「標準技術を利用したアーキテクチャ」であり、プラス継続的なシステム投資を可能にする「システムライフサイクルコストの低減」が求められているといえます。
そしてそれを実現しているのが、今回紹介する「Oracle Applications」の製品で、以下の3つのコンセプトに基づいて開発されています。
- Greatest Business Insight - ビジネスの「今」を見極め、迅速で正確な意思決定をサポート
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- あらゆるビジネス情報(マスタ、トランザクション)を共通のデータ・モデルによって統合し、「Single Source of Truth」を実現。
- 単一のデータ・スキーマで情報を一元管理することにより、経営層から各ラインのマネージャレベルまで、役割や目的に応じたダッシュボードを設定し、企業の活動の「現在」の可視化を実現。企業全体の戦略とラインの活動の同期を取りながら、迅速な意思決定を支援。
- 各トランザクション・システムにビジネス・インテリジェンス機能を組み込むことで、リアルタイムな情報共有と分析を実現。
- Deep and Adaptive Industry Process - 業務要件への高い適応性と柔軟な接続性の確保
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- テクノロジー基盤からアプリケーションまで統合された設計のため、業務プロセスの自動化、情報の一元的な統合を実現。
- 経済環境や業界ルールの変化、法制度への対応など、様々な外的要因への迅速な対応を実現。
- インダストリーに対応したコンフィグレーションと業務フローを装備。迅速な業務システムの立ち上げを実現。
- Superior Ownership Experience - システムライフサイクルにおけるTCO削減の実現
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- 標準技術による各モジュールの連携性、業務プロセスの自動化による実装の容易性、変化に迅速に適応する柔軟性により、アプリケーションのシステムライフサイクルコストの低減を実現。
今回は、特にOracle Applications製品として「Oracle E-Business Suite」と「JD Edwards EnterpriseOne」、そして中堅企業向けソリューション「Oracle NeO」について紹介します。