使いやすい食器洗い機のモデル
モデルとコード生成
「Telelogic Rhapsody」は、ツールの機能としてUMLの図を描くと、自動的にプログラミングコードを生成します。生成コードの種類としては、C、C++、Java、Adaのいずれかを選択することができます。
「Telelogic Rhapsody」の場合、MDA(モデル駆動型アーキテクチャ)でいうアクション言語は、プログラミング言語になります。
例えば、実装を行うプログラミング言語をC++とします。図2(下)のクラス図のように、クラスを拡張する時点で操作が定義されていた場合、拡張を行うと操作の先頭に仮想(virtual)宣言が追加されます。図3では、クラスMotorの拡張後、操作「on()」「off()」の先頭にvirtualが追加されている例を紹介しています。
ここまで作業が終わったら、AC、DC用のDishwasherBuilderクラスを作成することにより、インスタンス化と動作検証をそれぞれ行うことができます。
まとめ
駆け足で説明をしてきましたが、ここまでのプロセスを簡単にまとめてみましょう。「Telelogic Rhapsody」を使用し、ソフトウエアの構造はUMLのクラス図を作成して定義し、各クラスの振る舞いは状態マシン図を使って定義しました。また、処理の流れをシーケンス図にて確認し、クラスのアーキテクチャ設計、および機能拡張の例を食器洗い機、食器洗い機システムを題材にしながら、紹介しました。
UMLを使用したソフトウエア開発の一例として紹介しましたがいかがでしょうか。なお「Telelogic Rhapsody」はモデルから生成したコードを編集した場合でも、その結果を元のモデルデータに自動的に反映する機能があります。このことにより、モデルとプログラミングコードを一元管理することができるので、運用も比較的容易に行うことができます。なお生成されたコードは、日本テレロジックが提供する「Real-Time Framework」上で動作します。
生成コード自身は特定のプラットフォームに依存しません。依存する部分については、フレームワーク内で処理を行うように設計されています。「Telelogic Rhapsody」は組み込みソフトウエア開発に特化したモデル駆動型開発環境を提供できます。
なお、記事中にてご紹介しているモデル表記、動画などは、テレロジック社のモデル駆動型組み込み開発環境の「Telelogic Rhapsody(ラプソディ)」を利用しています。