検索ログと検索エンジン
検索ログとは
現在、多くのWebサイトではそのサイト内の情報を検索できる「検索窓」「検索ボックス」を設置しています。
例えば、この記事の上の方にも検索窓があります。検索ログとは、この検索窓から得られるログのことです。サイトの閲覧者はそれぞれが欲しい情報を探すために、検索窓にキーワードを入れてサイト内のドキュメントから検索を行います。そのときに検索についての履歴を記録したのが検索ログです。
検索ログからは、閲覧者がどのようなキーワードで検索したのか、検索した結果何件のページがヒットしたのかといった情報を得ることができます(図1)。では、検索ログから得られる情報にはどのような意味があるのでしょうか?
実はこの検索ログには、Webサイトのアクセスログと同じく、閲覧者の動向をつかむ上で重要な情報が含まれています。この情報を有効利用することで、Webサイトの質をより向上させることができます。また、企業であればマーケティングの材料とすることで新たなビジネスチャンスを発見できる可能性もあります。
それでは次項では検索ログに含まれる情報について解説していきます。
検索ログの情報活用
検索キーワードやその組み合わせを調査することで、閲覧者が何を求めてサイトを訪れたのかを読み取ることができます。検索するという行為は、サイト内のページを訪れるという行為よりも、明確な目的のある行為です。
よって、検索に用いられたキーワードは閲覧者の意向を強く反映した情報です。また、検索されるということはサイトナビゲーションではその情報にたどり着けなかったということも考えられます。本来なら容易にアクセスできる情報が頻繁に検索されるようであれば、サイトナビゲーションなどを見直す必要があると考えられます。
検索ポータルサイトでどのようなキーワードで検索し、サイトにたどり着いたのかという情報はアクセスログからも知ることができます。しかし、サイトに存在しないキーワードで検索された場合には、そもそもサイトにたどり着くことができません。
検索ログであれば、サイトに存在していない語句でも検索された履歴が取得できるので、そこから閲覧者が求めているのは何なのか知ることができます。サイトに不足しているものを調べ、それを追加することはサイト閲覧者の満足度の向上につながります。
ヒット件数は閲覧者が求めるものを見つけられたのかどうかの目安となります。特に注目すべきなのはヒット件数が0件だったキーワードです。検索した結果が何も無かった場合、情報が得られなかった閲覧者はそのサイトに見切りをつけてしまう可能性が高いでしょう。
それを防ぐためには、サイトに無かった情報を拡充するほか、より検索精度を高める工夫が必要になります。例えば、FLASHなどのコンテンツ内に情報があるのに検索では引っかからないというような場合には、その情報を検索できるように工夫する必要があります。
このように、検索ログからはアクセスログでは知ることのできない重要な情報を取得することができます。また、アクセスログと併せて解析することで、より詳細に閲覧者の行動を推測することができます。
以上で述べたように、有益な情報を得られる検索ログを記録するためには、検索窓をWebサイトに設置する必要があります。次に検索窓の設置について解説していきます。