開封率の高いデコメールでメルマガ配信!
デコメールを取り巻く環境
メルマガの中でも開封率が高いと言われるデコメール(デコメ)において、企業がユーザーに向けて配信するデコメを対象に、基本的な作り方と嫌われにくいデザインテクニックを実践的に紹介します。
携帯端末に送られるデコメールは、新しい技術ではなく、古くから存在するHTMLメールを携帯にも送信できるようにしたもので、画像やFlashを掲載でき、通常のテキストメールと比べて豊富なデザインが特徴のため、10代から20代を中心に利用されています。
2007年に発表されたデコメールに関する利用調査(http://www.imjmobile.co.jp/news/72.html)によると、約85%の利用者がデコメ付きメルマガを受信していて、テキストメールに比べ、「印象に残る」「面白い」など、好意的な印象をもつユーザーが多いことが分かっています。このようにテキストメールとはひと味違うデコメをメルマガに利用することで、開封率の高いメルマガを作ることを今回のゴールとします。
なお、ここでは10代のユーザー間で送受信するような派手なデコメールではなく、一般企業が利用者に対して送る比較的「まじめな」デコメールを対象とします。
デコメールの作り方の基本
実際にデコメールを作成する方法としては、2種類の方法があります。
・ソフト上または端末上でデコメのテンプレートを作成し、それを利用してメールを送る
・メールのHTMLパートを直接作成し、プログラムまたはASPを利用して送信する
まず、1つ目の方法では、ドコモのデコメテンプレート作成ツール等(http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/content/deco_mail/template/tool/index.html)を利用して、デコメールを作成(dmtファイル)する方法です。公式ツールを利用できるため、デコメールを簡単に作成できます。au(khmファイル)とソフトバンク(hmtファイル)では、公式ツールが公開されていませんが、上記ソフトで作成したドコモのテンプレートを各キャリアの仕様に基づき、若干変更を加えれば作成できます。ツールを利用することができるため、初心者に向いている作成法です。
しかし、1点だけ致命的な欠点があり、この方法ではデコメの1つの特徴であるリンクをメール内に作成できません。これではメルマガにデコメを使用する場合に意味をなさないので、作成ツールは容量などのエラーチェックのみに使用し、通常は2つ目の方法を選択します。
2つ目の方法は、PHPのQdmail(http://hal456.net/qdmail/)などのプログラムやASPを利用して、あらかじめ作っておいたHTMLパートをインターネット経由で携帯端末に送信する方法です。デコメールはHTMLパートとテキストパートで構成されています。HTMLパートとは、HTMLメールに含まれるHTMLでマークアップした部分のことを指し、一方のテキストパートはすべてのHTMLタグを除いた部分となります。HTMLパートは編集できるので、デコメール内にリンクを掲載する(HTMLタグとして<a>タグが使用できる)ことも可能です。
デコメールは3キャリアのうち、ドコモとauに関しては仕様が公開されています。また携帯サイトとは異なり、比較的仕様については互換性があります。ここでは、既成のプログラムやASPを利用するという前提のもと、デコメールを3キャリア同時に作成する上で、担当者が知っておくべきポイントを紹介します。
まず、図1をご覧ください。デコメールは基本的に3G端末の上位機種で対応しています。すべての機種を網羅しているわけではありませんが、非対応機でも同等もしくは最低限テキストパートは閲覧できるようになっています。
デコメール対応端末でも登場時期によって対応する仕様が異なっており、古い機種(現在は対応機中、約2割で無視できない)まで考慮すると、上記のようにメール全体の容量を10KB以内に収めなければならないという非常に厳しい条件がつきます。添付できるファイル数もこの条件下では10個までです。
デコメールではFlashを使用することもできますが、現在はまだ対応している端末が少ないため、積極的な導入はまだ早いでしょう。